米国の会計および財務専門家向けの経営者 ガイド
OECD (経済協力開発機構) の第2の柱 (Pillar Two) による新しいルールとアメフトの試合は、ふたつの異なる世界のように見えるかもしれませんが、驚くべき類似性があります。どちらも複雑な戦略やプレイヤー間の調整、価値のある縄張りを獲得し保護することを目的としています。しかし今の時期、私たちの多くがお気に入りのアメフトチームを応援している一方で、米国の多国籍企業はPillar Twoの影響に備えた準備を進めているのです。
Pillar Twoは、特定の多国籍企業が事業をおこなうすべての管轄区域で公平な税負担 (正確には15%) を確保することを目的とした新しい税制です。最低法人税率が特定の管轄区域で満たされていない場合、企業は 「トップアップ税」 を支払うことで不足分を補う必要があります。
しかし、トップアップ税の支払い義務があるかどうかを判断するのは容易ではありません。
Pillar Twoのルールは、企業が事業をおこなうすべての管轄区域について、新しい実効税率 (GloBEルールのETR) の複雑かつデータ集約型の計算を要求しています。この計算は税務会計と財務会計の概念を独自に組み合わせたものに基づいており、企業は実質的に第三の帳簿を作成する必要があります。
一見、これは税務上のみの問題のように見えるかもしれませんが、Pillar Twoは財務機能とコントローラーシップ機能へも影響を与えると予想されています。
試合終了時間は刻々と迫っており、KPMGは多くの多国籍企業が当該ルールが有効になる2024年第1四半期に影響を受けると予想しています。
1月1日に事業年度が開始する公開会社は、Pillar Twoによる2024年第1四半期の法人税引当への予想される影響を報告し、2023年Form10-Kでの開示義務を考慮する必要があります。
新しいルールの適用範囲と複雑さを考えると、Pillar Twoの実施は手ごわいものに思えるかもしれませんが、これは新しい収益基準及びリース基準を同時に適用することと似た状況です。米国/在米外国籍企業は差し迫る財務報告義務を果たすために即座に戦略的に取組む必要があります。そのためにこのゲームプランを作成しました。
米国の専門家 (および米国会計基準) を念頭に置いて作成されたこのエグゼクティブサマリーは、新しいルールの概要、企業が2024年第1四半期に備えておこなうべき実施手順、および外部監査人が注目する点を含め、会計ならびに財務機能にどのような影響があるかを解説しています。
詳細については、下記リンクより英語全文をダウンロードしてください。
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