2030年までに約14兆円に拡大すると予測されている世界の生成AI市場規模(総務省『情報通信白書令和5年版』)。生成AIは企業の競争優位性を高める重要な技術とされ、KPMGインターナショナルの調査によれば、70%のCEOが生成AIを最優先の投資対象とし、3~5年でのリターンを期待しています。一方で、AIの利用に伴う倫理的問題やデータプライバシー、セキュリティリスクなど、新たな課題も浮上。生成AIの急速な進化と普及に伴い、今、企業は前例のない機会とリスクに直面している状況です。このような状況下で、AIの恩恵を最大限に享受しつつ、関連するリスクを適切に管理する「AIガバナンス」の構築が企業の急務となっています。本特集では、AIガバナンスの最新動向や企業の取るべき対応などについて考えます。
いま企業に求められているAIガバナンスとは ~企業価値向上とリスク管理を両立させるAI時代のガバナンス戦略を考える~
AIの急速な発展と普及に伴い、企業におけるAIガバナンスの重要性が増しています。こうしたなか、AIの適切な利用と管理に関する議論も活発化しています。2024年4月、日本では「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」が公表され、AIの開発者、提供者、利用者それぞれに対する指針が示され、内閣府・AI戦略会議では法律や制度の検討が開始されました。また、8月にはAIを「禁止」、「高リスク」、「低リスク」、「僅少リスク」の4つに分類して規制する欧州(EU)のAI法が発効しました。企業がAIの恩恵を最大限に享受しながら、関連するリスクを適切に管理するためには何が必要なのか。弁護士でもあり、スマートガバナンス株式会社代表取締役CEOの羽深 宏樹氏、KPMGコンサルティング 熊谷 堅、あずさ監査法人 宇宿 哲平の3名が、AIガバナンスの現状と課題、そして企業の取るべき対応について議論を交わしました。
Vol.69/2024年11月号
Accounting
会計・開示/税務Topic
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