不正・不祥事の起こらない企業活動を行うためには、社内だけでなく、社外のビジネスパートナー(仕入先、顧客、流通業者、代理店、コンサルタント、従業員等)を含めた不正予防体制の構築がトラブルを防ぐ一手となります。特にビジネスパートナーの素性・経歴を精査し、不正を起こさない健全な者であることを確認することがリスクマネジメントにおいて不可欠な要素となっています。

グローバル化が進展した結果、企業は数えきれないほどのパートナーと共同してビジネスを行うようになっており、取引先に関連した不正が発生するリスクも高まっています。例えばビジネスの継続に重大な影響を及ぼす、以下のようなトラブルも発生しています。

  • 雇ったコンサルタントが公務員に賄賂を贈ったため、海外腐敗行為防止法(FCPA)違反となり多額の罰金を科された
  • 新規に提携を行った海外企業に、営業機密を盗まれた上提携を破棄された
  • 海外の企業に製品を出荷したが、代金が払われないまま連絡がつかなくなった


このような事象から身を守るためには、個人・企業問わずビジネスパートナーの背景情報を調査する「インテグリティー・デューデリジェンス」が重要です。インテグリティー(Integrity)とは「誠実性」を指し、個人・企業が法令遵守をはじめ幅広く社会的責任を果たしているかどうか示す概念です。組織のリスク管理だけでなく、企業価値を高めるための重要な要素として欧米企業を中心に注目が高まっています。KPMGでは特に海外の個人・企業の調査対象に関して、世界中の情報ソースから情報を収集・分析し、誠実性の確認と不正リスクを低減する各種ソリューションを提供しています。
 

背景調査のニーズ

KPMGの背景調査サービスは、以下のようなニーズに対応しています。

  • KYC等のマネーロンダリング関連法規制対応
  • FCPA等、贈賄防止関連法規制対応
  • 企業幹部または従業員の採用時の身辺調査
  • M&A相手先のデューデリジェンス
  • 取引先のデューデリジェンス
  • リスクの高い地域、顧客への対応

お問合せ

各種ソリューション

1. スクリーニング調査

国内外のビジネスパートナーから各種規制や経済制裁の対象者を洗い出す「スクリーニング調査」は、リスク情報を収集するために必須となります。KPMGでは独自のデータベースと、取引先の情報を照合し、潜在的なリスクの早期発見につなげます。グローバルなネットワークをいかし、国内だけでなく、国境を越えて広がる規制リスクへの対応を支援します。

2. オンライン・デスクトップ調査

オンライン上に存在する公開情報を収集してリスクの早期発見につなげる「デスクトップ調査」は、リスクの早期発見・予防に直結します。KPMGでは特に個人・企業の調査対象に関して、世界中の情報ソースから情報を収集・分析し、標準化されたレポートを作成するサービス「Astrus(アストラス)」を提供しています。

KPMGでは専門の調査員が、取引先の誠実性を確かめるために重要な情報(法人、個人の背景情報、ネガティブなニュース記録、訴訟、裁判歴等)をオープンソースから収集し、レポートを作成します。情報収集だけでなく、各調査項目に対して、緑、黄、赤の3色で潜在的リスクを色分けして表示。これによって調査結果に対してどのエリアにリスクが存在するか、一目で把握することができます。世界中の主要言語を含む80か国以上に対応し、背景調査サービスとして各国企業に活用されています。

3. オフライン・実地調査

デスクトップ調査の結果から、個別事象について更に詳細な分析が必要となった場合、専門人材による実地調査も提供しています。オンライン上の情報に、人的ネットワークで収集したリアルな情報を掛け合わせることでより高度なリスク管理を可能にします。KPMGフォレンジック部門では、必要な情報の収集をサポートするグローバルな調査体制が整っております。

例えば「Astrus」レポートで発覚した海外企業・個人のリスクの詳細を確認するために、現地フォレンジックプロフェッショナルによる実地調査等、きめ細やかな対応が可能です。KPMGではフォレンジックサービスの認証を得たプラクティスが42カ国に展開されており、クライアントの調査ニーズに対応いたします。
 

調査対象の例

オンライン上に存在する公知情報を収集するデスクトップ調査で調査対象企業、個人の背景情報を把握します。

法人の背景情報 登記情報、企業識別情報、登録、上場等の状況、経営者や主要株主の情報
個人の背景情報 国籍、学歴、職歴、会社の保有情報
メディア情報 対象会社、個人に係る不利益なニュース記事等(過去10年分)
訴訟記録 対象会社、個人に係る過去10年間の訴訟記録(該当地域で検索可能なものに限る)
制裁記録 対象会社、個人に係る罰則や制裁、PEP(重要な公的地位を有する者)該当の有無

 

KPMGのデスクトップ調査の仕組み

個人・企業の背景調査(経歴、誠実性、法令違反等) 個人・企業の背景調査(経歴、誠実性、法令違反等)

KPMGの調査のメリット

1. 迅速なレポートのデリバリー

世界のどの対象地域でも、あるいは同時にまとまった数のレポートを発注頂いた場合でも、専門調査員が世界中の情報ソースを分析し、速やかにレポートを作成します。例えばデスクトップ調査の「Astrus」では通常2週間以内にレポートをお届けします。

2. ニーズに応じた調査コスト対応

貴社のニーズや調査対象のリスクに応じて調査が可能です。企業のみ、あるいは個人のみに限定した調査、制裁対象者リストのスクリーニング結果のみのレポートなど、範囲を限定した調査を行うことで、ニーズに合ったコストコントロールが可能です。

3. 独自のオンライン情報ソース、多言語対応

一般的な外部コンテンツプロバイダーからの情報以外にも、KPMG独自の調査で得た情報ソースも検索し、これら情報ソースは定期的にアップデート、追加されています。これにより他社のデスクトップ調査と比較してより多くの情報が収集できることが期待されます。また、情報ソースは英語以外にも80を超す世界各国の主要言語に対応しています。

4. オフライン調査のネットワーク、グローバルリーチ

オンラインの情報ソースを分析した上で、より深度の高い情報が必要な場合は、KPMG独自のネットワークをいかした現地調査が可能です。専門の調査人材を使いリアルな情報を分析し、潜在的リスクの低減につなげます。新興国を含む海外企業や個人に対する調査にも対応。国境を越えて広がるビジネスパートナーの解像度を高めることで、経営の意思決定を支援します。

 

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