2015年に制定されたコーポレートガバナンス・コードにより、役員報酬はコーポレートガバナンスの重要事項の1つであることが明示されました。その結果、役員報酬が果たすべき機能は、役務対価としての報酬機能に加え、適切なリスクテイクを経営幹部に動機づけること、およびステークホルダーと適切な対話ができる機能と拡大しています。また、近年ではガバナンスにおいても、企業単独からグループ全体のガバナンス強化へ、そのあり方が変わりつつあります。
KPMGは、これまでの上場企業への支援によって得られた経験・ノウハウを活用し、役員報酬制度設計から開示に係るアドバイス提供まで幅広く支援します。
役員報酬体系の設計
役員報酬の設計にあたっては、まず報酬全体のポリシーを定め、それに沿って報酬の種類と支給目的を明確化します。報酬要素のバランス(比率)は、支給目的を達成するうえで非常に重要です。
インセンティブの設計
役員は、短期・中長期の企業目標達成や企業価値向上に対する重責を負っているため、役員報酬におけるインセンティブは、この責任に対して強く動機づけられるよう、KPIの種類・ボラティリティ・達成率の測定基準を設定する必要があります。
役員報酬の開示
設定した役員報酬KPIのなかで、企業がどの指標を重要視し、その達成度をどのように評価して役員の処遇に反映させているかを、各種報告書内に示すことが求められます。企業の透明性の確保や役員の説明責任の観点での情報の開示や、持続的な企業価値向上のためのステークホルダーとの積極的な対話により、株主や投資家から信頼を得ることが重要です。
KPMGによる役員報酬制度設計の支援内容
KPMGは、国内外における役員報酬制度設計の豊富な経験と専門性を持ったコンサルタントの知見を活用して、各社の状況(業種・ビジネスモデルや成長ステージ等)にあわせた役員報酬制度設計を支援します。
【現状分析および報酬ポリシー策定】
1.現状分析および報酬ポリシー策定 | 2.詳細設計 | 3.導入準備 | |
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検討事項 | 1-1:現状把握 ・データや経営層インタビューによる現状の問題点・取り組むべき課題の整理 1-2:報酬ポリシー策定 ・全体方針 ・報酬体系 ・報酬割合 ・役員評価の有無 ・株式報酬のスキーム ・マルス条項・クローバック条項の導入 |
2-1:報酬決定ルールの検討 ・業績指標 ・業績指標以外の役員評価 ・指標・評価結果の報酬への反映方法 2-2:報酬水準の検討 ・ベンチマークの活用法 ・役位別報酬水準 ・報酬支給シミュレーション 2-3:報酬決定プロセスの検討 ・決定プロセス ・決議方法等運用ルール詳細 |
3-1:導入スケジュールの策定 ・制度導入・承認スケジュール 3-2:承認資料の作成 ・取締役会報告資料 ・各種外部開示資料 3-3: 規程変更 ・新規程整備 |
成果物(例) | ・現状把握結果報告書 ・役員報酬制度・概要設計書(新制度の概要案) |
・役員報酬制度・詳細設計書(新制度の詳細案) | ・制度導入スケジュール案 ・外部開示資料案(開示内容の概要) ・役員報酬制度・規程案 |
主な役員制度関連サービス
- サクセッションプラン策定
- 人的資本経営サーベイ
- 指名報酬委員会の実効性強化
- 役員評価制度の設計