サプライチェーンを取り巻く課題は多様化・複雑化しています。環境面では温室効果ガス・水・生物多様性などが、社会面では労働安全・ダイバーシティ・地域社会との共生などが挙げられますが、これらを新たに戦略に組み込んだ対応と開示が求められています。
KPMGは、サステナブルなサプライチェーン構築に向けた調査から対策実行までを、ITツール導入も含めワンストップで支援します。
ESG時代に求められるサプライチェーン
消費者の成熟・多様化やデジタルネイティブ世代の台頭、消費地の移動によるマーケットの変化、国家間摩擦・紛争、安全保障貿易や税制ルール変更などの経済安全保障・地政学リスク、ESGやSDGsといった社会的要請、DXに代表されるテクノロジーの進化、異業種間競争の進展などの外部環境およびグローバルに張り巡らされたサプライチェーン構造、または複雑化する組織環境により、企業経営の難易度は飛躍的に上がっています。
ステークホルダーからの関心はもちろん、消費者も企業のサステナビリティ対応を製品購入の際の参考にする傾向があり、顧客・取引先からもサステナビリティに配慮した調達・生産などが求められており、さらに機関投資家からは、サステナブルな調達の取組みに関する開示や認証を要求されるようになっています。
サプライチェーンを取り巻くサステナビリティの課題の変化
サプライチェーンを取り巻くサステナビリティの課題も多様化の傾向を見せています。公害・汚染防止はもとより、環境面では温室効果ガス・水・生物多様性などが、社会面では人権侵害・労働安全に加えてダイバーシティや地域社会との共生に関し、戦略目標の設定・取組みやその開示が求められています。
また、これらの対応を自社はもちろん、バリューチェーン全体で実践していくことがステークホルダーから要望されており、サプライチェーンのトレーサビリティに関する重要性がうかがえます。
サステナビリティへの対応は“強靭なサプライチェーン”の転換をもたらします。これまでの後追い、横並びの対応から抜け出し、長期的な視点で自社のサステナブルサプライチェーンの戦略・ロードマップを策定し、構築していくことが重要です。
【サプライチェーンに関するESGリスク例】
サードパーティも巻き込んだサステナブルなサプライチェーン構築
オペレーション実行のためのサプライチェーンマネジメントの観点から、経営の意思決定に添い、速やかに対応できるサプライチェーンマネジメントへの変革が、グローバルレベルで求められています。
また、グローバル展開が広がる中、地域特性や事業・商品等の重要性、リスク状況を踏まえたグループ会社全体の組織・事業を考慮した「最適なサプライチェーンの構築と運用」が重要となります。
特に、サプライヤー・生産委託先・物流会社などのサードパーティと連携し、サステナブルなサプライチェーンを構築するためには、まず各社に対する調査と対応(サステナブル調達)を行い、共に改善していく姿勢が求められます。
KPMGでは、ESGの観点も踏まえたグローバルサプライチェーンの脆弱性特定や強靭化に向けた対策の検討・実行、サードパーティに対するサステナブル調達やサプライヤーエンゲージメントまでをワンストップで支援します。
提供サービス
サステナブルサプライチェーン診断サービス
企業のサプライチェーンおよび各サードパーティに対する対応について、ESG関連の課題対応状況を簡易診断します。ISO26000やESG評価機関の要求事項、各種開示基準、関連規制等も考慮したKPMG独自の診断項目を準備し、ステークホルダーから求められるサステナブルなサプライチェーンの構築に向けた初期診断と他社とのベンチマークによる課題の抽出・対応策の提言を行います。
サプライチェーン再構築支援
サプライチェーンにおけるESG課題に対応し、より競争力と持続性のあるものにするために、戦略の策定、再編・M&Aの実行、デジタルの活用、リスク管理体制の構築等を総合的に支援します。
責任ある調達(サステナブル調達)体制構築・運用支援
グリーン調達や、サプライヤーへの人権デューディリジェンスの観点も含めたサステナブル調達体制の構築・運用を支援します。調達方針・ガイドライン策定や、ISO26000や国連グローバル・コンパクトの10原則、RBAの行動規範等も踏まえた、持続可能なサプライチェーン構築に向けた仕組みの構築を支援します。
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ISO20400(持続可能な調達)を踏まえた調達体制構築・運用支援
ISO 20400「持続可能な調達- Guidance(Sustainable procurement - Guidance)」は、企業や団体が調達を通じて持続可能な開発に寄与するための指針を示すものです。
ISO20400の要求事項も踏まえ、企業のサステナブル調達体制・プロセスの再構築を支援します。
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経済安全保障・地政学リスク対応支援
国際情勢の不安定化や、グローバル経済下における特定国依存への懸念、先端技術の軍事利用などを背景に、経済安全保障・地政学リスクの重要性が増しており、多くのグローバル企業にとって対応が不可欠な経営リスクに位置づけられます。
経済安保・地政学リスク管理を支える基盤の構築から、経営判断プロセスの見直しやサプライチェーンを含むリスク管理に関する取組推進を支援します。
Key Item | 実施事項例 | |
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基盤構築 | 経済安保・地政学リスク管理体制の設計 | 統括部門の設計や既存機関の機能見直し、インテリジェンス機能の設計を実施し、各機関の役割分担・オペレーションを明確化 |
取組み推進 | 投資・取引判断プロセス | 取引審査・投資プロセス・事業撤退方針へのリスク基準の反映や、決裁プロセスの見直しを行い、リスクを踏まえた意思決定を可能に |
リスク評価 | 経済安保推進法規制、サプライチェーンリスクを含む、多岐にわたるリスクの洗い出しを行い、その対応状況・脆弱性を評価 | |
BCP・危機対応マニュアルの策定 | 紛争リスクを想定したBCPを策定するとともに、駐在員の退避等を含むクライシス対応オペレーションを明確化しクライシス時のダメージを最小化 | |
サプライチェーンリスクマネジメント | 紛争に伴うサプライチェーンの寸断、経済制裁等を想定したサプライチェーンの脆弱性・課題の診断、対応策の策定 | |
シミュレーション・訓練 | BCP・危機対応マニュアルに基づき、シミュレーション・訓練を実施し、関係者間の認識共有や現状の取組みの問題点を把握・改善 |
サードパーティリスクマネジメント
環境課題、社会課題を踏まえたサードパーティ管理の在り方について、現状評価とリスクの洗い出しを行うとともに、改善点の検討、管理体制・プロセスの構築を支援します。
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腐敗・贈収賄防止対応支援/独占禁止法・競争法コンプライアンス対応支援
腐敗・贈収賄防止に係る法規制や独占禁止法等に対するコンプライアンス上のリスクや課題を分析し、グループとして対策立案、施策の展開、体制の構築、モニタリングの実施等を支援します。
「腐敗・贈収賄防止対応支援」のサービスの詳細はこちらから
「独占禁止法・競争法コンプライアンス対応支援」のサービスの詳細はこちらから
サプライチェーンのトレーサビリティ支援
複雑化するサプライチェーンで生じた問題を追跡する仕組みがトレーサビリティです。トレーサビリティを構築して原材料から加工、物流、販売に至る一連の過程において製品が“正しく”管理されていることを記録し明示することにより、品質リスクを低減し製品・サービスの信頼性を高め、それが消費者・顧客に対する付加価値に繋がります。一般にEnd-to-Endのトレーサビリティを確保することは非常に困難な取組みである一方で、トレーサビリティを戦略的に活用し、信頼性の高いサプライヤー確保やブランド向上に繋げる企業も存在しています。
サプライチェーンのトレーサビリティ構築に関し、ブロックチェーンも活用し上流から下流までワンストップで支援します。
関連サービス
サプライチェーンの関連サービスをご案内します。詳細は各リンクをご参照ください。