ISO20400とは

ISO 20400「持続可能な調達に関するガイダンス(Sustainable procurement - Guidance)」は、昨今のサプライチェーンを含めた企業や組織の社会的責任への要請が増加していることを背景に、企業および組織がサステナブル調達を実現するために開発された国際的なガイダンス規格です。

ISO20400は認証規格ではなく「ガイダンス」規格という性質を持っており、環境から人権まで幅広いサステナビリティの課題に対応している点が特徴的です。ISO20400は、企業の社会的責任について包括的に記載されているISO26000(社会的責任に関するガイドライン規格)を補完する形で策定され、ISO26000(2010年発行)に含まれている内容の実践と普及をサプライチェーン全体に展開するための規格であると位置づけられています。
関連するステークホルダーによって持続可能な調達活動の達成に向けた関心事項が異なるため、ISO20400を活用し、社内外の幅広い利害関係者とのステークホルダーに対するエンゲージメントを含めた取組の検討・実施が重要になります。

【ISO20400の全体構成】

ISO20400を踏まえた調達体制構築・運用支援_図表1

サステナブル調達の必要性

サステナブル調達とは、倫理的かつ持続可能な製品やサービスの調達・生産を、企業が確実に実行していることを意味します。昨今の企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しており、投資家のみならず消費者(顧客)も含め、持続可能な調達にかかわるステークホルダーからの要求は高まっており、欧州をはじめとした世界各国でソフトロー/ハードローを含めた規制の強化が進んでいます。
そのような環境の中、人権侵害や環境破壊などの社会課題(ESGリスク)の多くがサプライチェーン上で発生しており、それらの社会課題に対してサプライヤーを巻き込み持続可能な調達活動の実現を図ることが重要です。

【企業を取り巻く状況】

ISO20400を踏まえた調達体制構築・運用支援_図表2

ISO20400を踏まえた調達体制の運用構築支援の進め方

KPMGでは、以下のStepでISO20400の規格に基づきサステナブル調達体制の運用構築および高度化に向けた支援を実施します。

【運用構築支援の進め方】

ISO20400を踏まえた調達体制構築・運用支援_図表3

Step1:計画策定・準備
チームの組成とプロジェクト計画の策定を行い、プロジェクトのキックオフの実施を実施します。また、インタビュー対象者などへの事前説明を行い、プロジェクトに対する理解の促進を図ります。そして、ドキュメント調査のための資料・データを収集し、次ステップの評価の準備を行います。

Step2:ISO20400と現状のギャップ分析
企業のサステナビリティ目標や、調達戦略に基づき、ISO 20400の枠組みに対する現在の取組みをKPMGが客観的な立場で評価し、課題を特定します。また、収集した資料・データの評価・分析を実施します。加えて、調達活動に関連する主要ステークホルダーにインタビューを実施し、上記評価も加味してISO 20400 (サステナブル調達7つのコアテーマ※)に対する現在の取組みの評価を実施します。
※(1)組織統治、(2)人権、(3)労働慣行、(4)環境、(5)公正な事業慣行、(6)消費者課題、(7)コミュニティへの参画およびコミュニティの発展

Step3:サステナブル調達体制の高度化に向けたロードマップの策定
前述の評価結果に基づきサステナブル調達体制の構築および高度化に向けた具体的な課題の整理と対応に向けた検討を行います。対応検討においてはワークショップなどを通じて特定された主要なカテゴリーに対する詳細な活動計画を策定します。

関連サービス

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