KPMGジャパンが、2019年に開始した「KPMGジャパン CFOサーベイ」は今回で3回目となりました。今回はサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)※1により影響を受けるであろうCFOアジェンダに関連した質問を中心に29の設問で構成し、国内の上場企業461社のCFOから回答をいただきました。

今回の調査では、経営課題として「SXは最優先課題であり事業戦略の前提として位置付けている」と回答した企業が32%であった一方、「影響を図りかねているため様子見」と回答した企業は12%であり、2つの回答群の間でサステナビリティ課題に対する意識や対応状況に大きな差が見られました。例として、SX推進における課題として、前者では「SXを実現するための戦略の策定(29%)・実行(30%)」が挙げられ、すでに具体的なアクションへ視点が進んでいるのに対して、後者では「サステナビリティ関連課題の把握と評価(62%)」との回答が目立ちました。経営課題としてのSXのプライオリティを高めることが鍵であり、その位置付けによりSX推進のスピードに差が生じると推察され、結果として中長期的な企業価値へ影響すると想定されます。

今回の調査の結果、SXを推進し中長期的な企業価値を高めていくために、CFOは「価値創造のパートナー」、「変革のイネーブラー」、「企業価値のプレゼンター」の3つの役割を果たすことが求められると明らかになりました。

【SX推進に求められるCFOの3つの役割】

CFO3つの役割

※1 サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)
サステナビリティの視点を戦略的意思決定に組み込み、ビジネスモデルのレジリエンスを高め、中長期な成果としての企業価値向上を実現するためのトランスフォーメーション

CFO×SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)

今回のCFOサーベイにおいては、SXを推進するにあたってのCFOの現状認識・課題認識を伺いました。以下では、CFOのSX推進に資するべく最新の動向・インサイトを紹介しています。