多通貨の保険契約グループ(IFRS第17号及びIAS第21号)-IFRS-ICニュース

IFRS解釈指針委員会ニュース -「保険契約の複数通貨グループ(IFRS第17号及びIAS第21号に関連)」については、2022年10月のIASBの会議において審議された内容を更新しています。

「保険契約の複数通貨グループ(IFRS第17号及びIAS第21号に関連)」については、2022年10月のIASBの会議において審議された内容を更新しています。

関連基準

IFRS第17号「保険契約」、IAS第21号「外国為替レート変動の影響」

概要

委員会は、複数の通貨建てでキャッシュ・フローが生じる保険契約(多通貨建保険契約)について、1.保険契約ポートフォリオの識別において為替リスクを考慮する必要があるか、2.保険契約グループの測定にあたりIAS第21号に基づく換算をどのように行えばよいか、の2点の質問を受け取りました。

ステータス

委員会は以下の検討を行ったものの、保険契約の外貨換算を巡る会計処理を範囲限定的な論点として効率的に対処できるかは不明であるとして、本件を基準設定プロジェクトの作業計画に追加しないことを決定しました。

1.保険契約ポートフォリオの識別

保険契約ポートフォリオの識別に際しては為替リスクを考慮する必要があるが、考慮の程度は保険契約のリスクの性質と程度による。


2.多通貨建保険契約グループの測定

IFRS会計基準上に明示的な規定はないため

  • 契約上のサービス・マージン(CSM)を含む保険契約グループ全体を貨幣性項目として決算日レートで再測定する
  • 保険契約グループがどの(単一の、もしくは複数の)通貨建てであるかを会計方針に従い当初認識時に決定する。

    単一通貨建ての保険契約グループとするか、複数通貨建ての保険契約グループとするかにより、為替変動の影響のうちどの部分をIFRS第17号の金融リスクの変動とし、どの部分をIAS第21号の為替差額とするかに差が生じるが、いずれの場合でも保険契約グループに含まれるCSMは1つであり、

a.当該保険契約グループが不利かどうかは単一の金額としてのCSMに基づき判断する

b.CMSが負の値とならないように、必要な場合、損失を認識する。

c.各期に帰属するカバー単位を決定する単一の方法に基づき、CSMの配分を行う。

本アジェンダ決定の内容は、2022年10月のIASBの会議を経て確定しました。アジェンダ決定の詳細については、ASBJのサイトに公開されている、IFRIC Update(2022年9月)への補遺をご参照ください。

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