超インフレ親会社による超インフレでない子会社の連結(IAS第21号及びIAS第29号に関連)-IFRS-ICニュース

IFRS解釈指針委員会ニュース -「超インフレの親会社による超インフレでない子会社の連結(IAS第21号及びIAS第29号)」については、2023年12月のIASB会議において審議された内容を更新しています。

「超インフレの親会社による超インフレでない子会社の連結(IAS第21号及びIAS第29号)」については、2023年12月のIASB会議において審議された内容を更新しています。

関連基準

IAS第21号「外国為替レート変動の影響」、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」

委員会は、機能通貨及び表示通貨が超インフレ経済の通貨である親会社が、機能通貨が超インフレではない経済の通貨である子会社を連結する場合に、報告日の通貨の購買力を反映するように当期及び比較年度の子会社の財務数値をIAS第29号に従い修正再表示するのかについて質問を受け、2022年6月の会議で議論しました。委員会は、IAS第21号及びIAS第29号の要求事項によれば本件は修正再表示することもしないこともできるとは結論づけたものの、その後の追加のリサーチ及びアウトリーチを実施した結果、2023年6月の会議において、本件及び親会社の機能通貨は超インフレではない経済の通貨であるものの、表示通貨が超インフレ経済の通貨である場合を扱う狭い範囲の修正を開発するようIASBに提案することを決定しました。この提案を受け、2023年12月のIASBでは、IAS第21号の当該修正を開発する維持管理プロジェクトを作業計画に追加することを決定しました。

IASBは本件について2024年2月に議論し、次のように提案することを暫定的に決定しました。

  • 以下の開示要求を設ける。
    • a.機能通貨が超インフレではない在外営業活動体の業績及び財政状態を超インフレ表示通貨に換算する企業は、当該在外営業活動体に関する要約財務情報を開示する。
    • b.本修正案の範囲に含まれる企業は、財務諸表及び対応する過去の期間の数字が、直近の財政状態計算書日現在の期末日レートで換算されている旨を開示する。
    • c.表示通貨が超インフレではなくなった企業は、その旨を開示する。
  • IFRS会計基準を既に適用している企業は、本改訂を初めて適用する際、IAS第8号に従って遡及適用が求められるものの、IAS第8号第28項(f)で要求される情報の開示は免除され、また、早期適用も認められる。一方、初度適用企業に対しては、経過的な救済措置は設けない。
  • 企業の表示通貨が超インフレとなった状況を扱う具体的な要求事項は含めない。
  • 企業の表示通貨が超インフレではなくなった場合には、前報告期間の末日後に生じた収益及び費用を表示通貨へ換算するにあたり、IAS第21号第39号(b)を将来に向かって適用するが、前報告期間の末日前に生じた収益及び費用の再換算は要求されない。

2024年3月のIASB会議では、本件に係る公的説明責任のない子会社に対する開示要求及びデュー・プロセスの要求事項について議論されており、本修正案に関する公開草案が2024年第3四半期に公表され、120日のコメント期間が設けられる予定です。

お問合せ

このページに関連する会計トピック

会計トピック別に、解説記事やニュースなどの情報を紹介します。

このページに関連する会計基準

会計基準別に、解説記事やニュースなどの情報を紹介します。