2023年まで延期されたIFRS第17号「保険契約」の発効日

IFRS第17号「保険契約」の修正案に関する再審議が完了し、IFRS第17号の発効日を2023年1月1日まで更に1年間延期することが決定されました。

IFRS第17号「保険契約」の修正案に関する再審議が完了し、IFRS第17号の発効日を2023年1月1日まで更に1年間延期することが決定されました。

IFRS第17号「保険契約」(以下、IFRS第17号)の修正案に関する再審議はこれで完了である。

2020年3月の会議で、国際会計基準審議会(以下、IASBという)は、IFRS第17号の発効日を2023年1月1日まで更に1年間延期することを決定した。また、IASBは、特定の要件を満たす保険会社に認められるIFRS第9号適用の一時的免除についても2023年1月1日まで延期することを決定した。

これは、保険会社は今、ちょうど2年間の間に、新基準でのレポーティングを本適用する前に丸1年間の並行適用を行う準備をしなければならないことを意味する。

「今から2023年1月1日までにやるべきことは沢山ある。保険会社は、適切なデータ、確かなテスト済みのシステム、および移行計画を確認する必要がある。これらは、発効日までに準備が必要とされる重要な領域の幾つかに過ぎない。ついにIFRS第17号を適用する時が来たのです。」

Mary Trussell
KPMG’s Global Lead, Insurance accounting change

次のステップ

2023年に向けた準備として、企業は修正がビジネスに与える影響を理解し、必要な新しいデータを把握し、それが確かなソースであることを確認し、新しい或いは更新されたシステムを設計・構築・テストし、新しいプロセスを並行稼働することで、IFRS第9号およびIFRS第17号を反映した結果を確かなものとしていく必要がある。

1年延期を含むIFRS第17号の修正により、企業は適用計画を再検討し、移行に必要なデータの収集、2023年に直面する変化へのビジネストレーニング、これらの変化を利害関係者に伝える戦略の実装など、2023年に結果を報告するためのロードマップを確かなものとすることができる。
企業はいま、新しい発効日である2023年1月1日に向けて進むために必要なものを全て備えている。

修正の投票プロセス中に特定された更なる論点は今後の会議で議論される予定である。IFRS第17号に対する最終修正案は、修正後のIFRS第17号を2020年半ばに発効するというIASBの目的に依然として沿っている。

早期適用は認められており、適用プロジェクトを進めてきた一部の保険会社は、この選択肢を採用するかもしれない。考慮すべき要素は、競合他社も早期適用を選択するかであるが、これは管轄地域及び各国各地域のエンドースメントの要件に依存する。

英語コンテンツ(原文)

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部

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