金融庁、中間監査基準・四半期レビュー基準の改訂を受けた「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」を公布

ポイント解説速報 - 2019年12月27日、金融庁は、「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令及び企業内容の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(以下「本改正府令」という。)を公布しました。

金融庁が、2019年12月27日に公表した「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」の概要を解説します。

1.本改正府令等の概要

金融庁は、企業会計審議会において、監査人による監査に関する説明及び情報提供の一層の充実を図る観点から、監査報告書における意見の根拠の記載等に係る監査基準等の改訂が行われたことを受け、財務諸表等の監査証明に関する内閣府令及び企業内容等の開示に関する内閣府令並びに「「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」の取扱いに関する留意事項について(監査証明ガイドライン)」において所要の改正を行いました。2019年10月のパブリックコメントの募集を経て改正府令が公布されています。

2.改正のポイント

(1)監査基準、中間監査基準及び四半期レビュー基準の改訂への対応

「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」については、2019年9月に実施された監査基準、中間監査基準及び四半期レビュー基準の改訂に対応して、以下の改正が行われています。

  • 監査報告書記載事項の改正
    (除外事項付適正意見とした理由の追加)
  • 中間監査報告書及び四半期レビュー報告書記載事項の改正
    (新設された記載区分に追加、及び記載順序の変更への対応)
  • 中間監査概要書及び四半期レビュー概要書の様式改正

(2)監査人交代に関する臨時報告書への記載

「企業内容等の開示に関する内閣府令」では、監査人の異動の日の前3年以内に提出された財務計算に関する書類に係る監査報告書において除外事項を付した限定付適正意見を表明する場合、中間監査報告書において除外事項を付した限定付意見又は有用な情報の表示をしていない旨の意見を表明する場合、四半期レビュー報告書において除外事項を付した限定付結論又は否定的結論を表明する場合において、当該意見又は結論の理由を、監査人交代に関する臨時報告書において記載することが改正により新たに定められています。

3.適用時期

本改正府令は公布の日から施行するものの、それぞれ以下のとおり経過措置が定められています。なお、SEC登録会社の財務諸表等の監査証明に関する改正府令の適用は任意とされています。

  • 「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」については、2020年3月31日以後に終了する事業年度等に係る財務諸表等の監査証明、2020年9月30日以後に終了する中間会計期間等に係る中間財務諸表等の監査証明、2020年4月1日以後に開始する四半期会計期間等に係る四半期財務諸表等の監査証明について適用し、2020年3月31日前に終了する事業年度等に係る財務諸表等、2020年9月30日前に終了する中間会計期間等に係る中間財務諸表等及び2020年4月1日前に開始する四半期会計期間等に係る四半期財務諸表等の監査証明については、なお従前の例による。
  • 「企業内容等の開示に関する内閣府令」については、2020年9月30日以後に終了する中間会計期間及び2020年4月1日以後に開始する四半期会計期間に係る財務計算に関する書類の監査証明を行う監査人の異動について適用し、2020年9月30日前に終了する中間会計期間及び2020年4月1日前に開始する四半期会計期間に係る財務計算に関する書類の監査証明を行う監査人の異動については、なお従前の例による。

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執筆者

有限責任 あずさ監査法人
監査プラクティス部

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