PCAOB、監査事務所の品質管理基準の見直しに向けた協議文書を公表
ポイント解説速報 - 2019年12月17日、米国公開会社会計監視委員会(PCAOB)から監査事務所の品質管理に関する基準の見直しに向けて協議文書(以下「本協議文書」という。)が公表されました。コメント期限は、2020年3月16日とされています。
PCAOBが、2019年12月17日に公表した「監査事務所の品質管理基準の見直しに向けた協議文書」の概要を解説します。
Article Posted date
20 December 2019
本協議文書のポイント
- 本協議文書では、監査事務所のガバナンスやリーダーシップ、リスク評価プロセス、品質管理体制の構築や運営に関連する者の役割や責任のあり方等、監査事務所における品質管理のあり方について広範な内容が対象とされている。
- 現行のPCAOBの品質管理基準は米国公認会計士協会(AICPA)が開発した基準を引き継いだものである。しかし、当時より環境が著しく変化しており、現行の品質管理基準が監査・保証業務の実務や監査事務所の品質管理体制のあり方に影響を与える最近の動向を反映していないとの指摘がされた。このため、今回、品質管理基準の見直しが検討されている。
- PCAOBによる品質管理基準の見直しは、国際監査・保証基準審議会(IAASB)が現在開発している国際品質マネジメント基準(ISQM)第1号「監査事務所の品質マネジメント」を出発点として検討し、ISQM第1号と同様にリスクベースのアプローチとすることが想定されている。
- PCAOBは、本協議文書に寄せられたコメントを踏まえ、今後、監査事務所の品質管理基準の見直しに向けた検討を進めていくことを予定している。