IASB、「IFRS第17号『保険契約』の修正」を公表
ポイント解説速報 - 国際会計基準審議会(IASB)は、2020年6月25日、「IFRS第17号『保険契約』の修正」を公表しました。
2020年6月25日に公表された、IFRS第17号「保険契約の修正」について概要を解説します。
Article Posted date
01 July 2020
本基準書は、2019年6月に公表された公開草案「保険契約の修正」について寄せられたコメントを踏まえ、審議を重ねた結果として公表されたものです。
ポイント
- IFRS第17号の発効日のさらなる延期
修正前のIFRS第17号では強制発効日を2021年1月1日以降に開始する事業年度からとしていましたが、修正後のIFRS第17号では、一部の保険会社での導入対応の遅れや本基準書で追加・修正された事項への対応等にはさらに多くの時間を要することへの懸念があることなどから発効日を延期することが適当とされ、2023年1月1日以降に開始する事業年度から適用するものと修正されました。 - 修正前の基準書から追加・修正された論点
本基準書において追加・修正された論点は、主に、(1)要求事項を簡素化しシステム開発を含む導入コストを削減すること、(2)財務諸表をより簡単に説明できるようにすること、および(3)IFRS第17号を初めて適用する際に追加的な緩和措置を提供し移行を容易にすること、という目的で追加・修正されています。
PDFの内容
I. IFRS第17号の発効日
II. 新たに追加・修正された論点
- IFRS第17号の発効日の延期
- IFRS第17号の適用範囲に関する追加的な例外措置
- 更新契約に係る保険獲得キャッシュ・フロー
- 一般的な測定モデルにおける保険収益の認識及び境界線内のキャッシュ・フロー
- リスク軽減オプションの拡充及び会計上のミスマッチの低減
- 再保険契約における会計上のミスマッチの低減
- 直接連動有配当契約(VFAアプローチ)の適用要件
- 保険契約資産・負債に係る財政状態計算書上の表示の簡便化
- 期中財務報告における会計上の見積りの変更
- 移行措置に関する要求事項の緩和等
III. 参考情報
執筆者
有限責任 あずさ監査法人
金融監査2部
シニアマネジャー 細野 賢二