今、明確に理解できていますか? 保険会社の財務報告状況に対するアナリストからのフィードバック

IFRS第17号の適用に向けて準備を整えるにあたり、保険会社は実施上およびシステム上の大きな課題に直面しています。適用日が1年延期されてもなお、この状況は変わらないでしょう。

しかし、こうした適用に伴う課題とは別に、アナリストや投資家に生じうる影響を伝え、準備を整え十分に理解してもらわなければならない、という重要な側面があります。

KPMGはこの問題をより明確にするために、代表的な20人のアナリストをサンプルとして現行の保険会計について見解を求め、IFRS第17号のもとで状況がどのように変わると予想しているかを調査しました。

アナリストは現行のIFRSに不満を感じており、IFRS第17号の適用には重要なメリットがあると見込んでいます。しかし同時に、以下のように多く事柄が不確実であると考え、潜在的な懸念を抱いています。

• IFRS第17号によってアナリストが行う保険会社の評価方法は影響を受ける。しかし今と同じように、今後も、IFRSに専ら重点を置くということはない。
• IFRS第17号によって保険会社がより魅力的な投資対象となり、資本コストが削減されるかどうか等の主要な疑問に対して、アナリストの意見が分かれている。
• IFRS第17号によって比較可能性が大幅に改善するにもかかわらず、アナリストは依然として代替的な業績評価指標に着目している。IFRS財務諸表と同様にソルベンシーIIとエンベディット・バリューが引き続き重要な報告内容になると多くのアナリストが予想している。
• アナリストはまだIFRS第17号を熟知していない。IFRS第17号の影響と保険会社の準備内容について、企業からより多くの情報を得たいと考えている。
• IFRS第17号の適用を円滑に行い、凝集された情報が十分に開示された市場を創出するためには、より多くのコミュニケーションやディスカッションを行い、意識の向上を図ることが必要である。

貴社はアナリストや投資家のための支援活動や研修プログラムを計画し始めていますか。彼らの疑問と関心が主にどの領域のものであるか特定していますか。

または、もしあなたがアナリストや投資家であれば、他のアナリストや投資家と比較して、自分の保険会計に対する見方や関心事項をどのように捉えますか。

KPMGの調査レポートにより、あなたの思考を形作るのに役立つ貴重な見解を学びましょう。