IASB、「『重要性がある』の定義(IAS第1号及びIAS第8号の改訂)」を公表
IFRSニュースフラッシュ - 国際会計基準審議会(IASB)は、2018年10月31日に最終基準「『重要性がある』の定義(IAS第1号及びIAS第8号の改訂)」を公表しました。
国際会計基準審議会(IASB)は、2018年10月31日に最終基準「『重要性がある』の定義(IAS第1号及びIAS第8号の改訂)」を公表しました。
Article Posted date
07 November 2018
国際会計基準審議会(IASB)は、2018年10月31日、「『重要性がある』の定義(IAS第1号及びIAS第8号の改訂)」(以下「本改訂」)を公表しました。本改訂は、IASBが2017年9月に公表した公開草案(ED/2017/6)「『重要性がある』の定義(IAS第1号及びIAS第8号の改訂案)」について寄せられたコメントを踏まえ、審議を重ねた結果として、IAS第1号「財務諸表の表示」及びIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の改訂を公表したものです。
本改訂は2020年1月1日以後に開始する事業年度から適用されます。また、早期適用は認められます。企業が本改訂を早期適用する場合には、その旨を開示しなければなりません。
要約
本改訂は、「重要性がある」の定義を以下の通りとしています。
- 「情報は、その脱漏、誤表示または覆い隠すことにより、特定の報告企業に関する財務情報を提供する一般目的財務諸表に基づいて主要な利用者が行う意思決定に影響を与えると合理的に想定される場合には、重要性がある。」
主な変更ポイントは以下の通りです。
- 重要な情報を「覆い隠すこと(obscuring)」は、重要な情報を脱漏や誤表示することと同様の影響があるものとし、「覆い隠すこと(obscuring)」を定義に追加しています。
- 既存の「利用者」という文言を「主要な利用者」に変更し、重要性の判断にあたり考慮すべき財務諸表利用者の範囲を明確化しています。
- 既存の「意思決定に影響を与える場合」という文言を「意思決定に影響を与えると合理的に想定される場合」に変更し、重要性の判断にあたり考慮すべき影響の範囲を明確化しています。
本改訂は、既存のガイダンスに基づくものであり、重要性の判断の方法や企業の財務報告に重要な影響を与えることを意図していません。
PDFの内容
- 要約
- 改訂の背景
- 改訂の内容
- 移行措置及び適用日
執筆者
有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部