約束した財又はサービスの評価(IFRS第15号に関連) - IFRICニュース2019年1月 - アジェンダ却下確定
IFRS解釈指針委員会ニュース(2019年1月) - 約束した財又はサービスの評価(IFRS第15号に関連)については、2019年1月のIFRS-IC会議で審議された内容を更新しています。
約束した財又はサービスの評価(IFRS第15号に関連)については、2019年1月のIFRS-IC会議で審議された内容を更新しています。
Article Posted date
12 February 2019
関連IFRS
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
概要
証券取引所が顧客に上場サービスを提供することによって得られる収益認識に関して、証券取引所は上場維持サービスとは別個の上場認可サービスの移転を約束しているかどうか
前提条件は以下の通り:
- 証券取引所は、顧客から返還不要のアップフロントフィーの他、継続的に上場手数料を受領する。
- アップフロントフィーは、契約開始時又はその前後に証券取引所が行う活動に関連するものである。
- 証券取引所は、契約開始時又はその前後において、顧客の取引所への加入を可能とするために様々な活動を行っており、それには以下の項目が含まれる。
- 新規の申請に対するデュー・デリジェンスの実施
- 発行者の上場申請書のレビュー(申請書が受け入れ可能かどうかの評価を含む)
- 新規の証券に対する参照番号及びティッカーの発行
- 上場及び市場への加入の処理
- オーダーブック上での証券の公表
- 上場日における取引通知の発行
ステータス
審議の状況
IFRS-ICは、2019年1月のIFRS-IC会議で、次の通り指摘した。
- IFRS第15号22項では、約束した財又はサービスを評価し、次のいずれかを移転する約束を履行義務として識別することが求められている。
- 別個の財又はサービス(又は財又はサービスの束)
- ほぼ同一で顧客への移転パターンが同じである一連の別個の財又はサービス
- IFRS第15号BC87項では、履行義務を識別するには、その前に約束した財又はサービスのすべてを識別することが必要である旨記載されている。
- IFRS第15号25項では、財又はサービスを顧客に移転しない限り、企業が契約を履行するために行わなければならない活動は履行義務には含まれない旨規定されている。
- IFRS第15号B49項に、履行義務を識別するために、返金不要のアップフロントフィーが約束した財又はサービスの移転に関連しているかどうかを評価する必要がある旨規定されている。多くの場合、当該フィーは契約開始時又はその前後において契約の履行のために行うことを要求される活動に関連するものではあるが、その活動は顧客への約束した財又はサービスの移転を生じさせるものではない。
- 上記の前提に記載の契約開始時又はその前後で行われる証券会社の活動は、顧客に財又はサービスを約束通り移転するために必須のものであるが、当該活動自体は財又はサービスの移転を伴うものではない。
- 顧客に移転する上場サービスは、新規上場時もその後の上場維持期間中も同様である。
- 以上より、上記の前提において、上場サービス以外に顧客に移転する財又はサービスはない。
IFRS-ICは、2019年1月のIFRS-IC会議で、IFRS第15号の原則及び要求事項が十分な判断の基礎を示していると判断し、アジェンダに追加しないことを決定した。