Harvey Nash/KPMG 2017年度CIO調査
約4,500名のCIOおよびITリーダーを対象とした世界最大規模の意識調査で、企業のデジタル化は実行フェーズにシフトしつつあることが浮き彫りになりました。
約4,500名のCIOおよびITリーダーを対象とした世界最大規模の意識調査で、企業のデジタル化は実行フェーズにシフトしつつあることが浮き彫りになりました。
今年で19年目を迎える「Harvey Nash/KPMG CIO調査」は、世界最大規模のグローバルITリーダーを対象にした調査で、世界86ヵ国、約4,500名のCIOおよびIT部門のリーダーに回答していただきました。今年の調査からは、不確実性の高まりとともにテクノロジーの急速な進化により、企業のITリーダーたちが、これまでに経験したことのない変化に直面していることがうかがえる一方で、CIOをはじめとする多くのITリーダーたちが、この不確実性と変化をチャンスに変えようとしていることが明らかになりました。
先の読めない時代において、全社的なデジタル戦略を整備している組織の割合が過去2年間で52%増加し、デジタル化の取組みが事業部単位から全社レベルのものへと進化しています。さらに、組織内におけるCIOの戦略的影響力が増す中、CIOには戦略的イノベーターとしての役割が求められています。
CIO Survey 2017 Japan Special Report ~デジタルオペレーション時代の幕開け~(日本語PDF:925kb)
レポートの主なポイント
- 変化するビジネス環境に適応するために進む自社組織の変革
回答者の約3分の2(64%)が、政治やビジネス、経済環境の先行きが不透明感を増す中、「自社のテクノロジー戦略や計画の変更を余儀なくされている」と回答し、そのうちの半数以上(52%)が、予期せぬ事態に備えたテクノロジー計画の見直しにおいて「機動性に優れたテクノロジープラットフォームの構築」を挙げています。 - デジタルイノベーション成功への課題は組織のカルチャー
イノベーションを成功させるための課題について、「変革に対する抵抗」が43%ともっとも多く、「予算の確保」(25%)のおよそ2倍にのぼり、積極的な変化を拒む組織のカルチャーが、デジタルイノベーションの成功を阻む要因と言えます。 - 多様化・複雑化が進むITプロジェクト
5年前に比べた場合のITプロジェクトの変化として、「複雑化」や「大規模化」が上位に挙げられたほか、「複数の外部業者の起用」も44%となり、従来型のレガシーシステムに加え、新たな要素技術に基づく新システムが導入されることにより、ITプロジェクトの多様化・複雑化が進んでいます。 - 実用段階に入った先端テクノロジーを活用した業務改革
34%の回答者が、デジタルレイバーに「すでに投資している/投資の計画がある」としており、先行企業ではすでにデジタルレイバーの導入が進んでいることがうかがえ、導入による効果として、「品質の向上」、「スケーリング(規模の増減)の効率化」、「コスト削減」を挙げる割合が高くなっています。 - エンタープライズアーキテクチャの需要が急上昇
新たなデジタルイノベーションに伴いシステム環境が複雑化する中、エンタープライズアーキテクチャに対するスキル需要が昨年から26%もの伸びを示しています。 - サイバーセキュリティ対策は道半ば
ITセキュリティやサイバー攻撃に対処するうえで、「十分な体制が整っている」と回答したITリーダーはわずか5人に1人(21%)
過去2年間に深刻なITセキュリティ問題またはサイバー攻撃を経験したというITリーダーが32%にのぼる中、およそ半数(48%)のITリーダーが「内部関係者によるサイバー攻撃」を懸念しています。
Harvey Nash/KPMG 2017年度CIO調査は、世界最大規模の回答者数を誇るITリーダーを対象とした調査です。世界86ヵ国、総勢4,498名のCIOおよびIT部門のリーダーを対象に、2016年12月19日から2017年4月3日にかけて調査を実施しました。