ASEAN地域の強力な経済圏への急速な発展は、新たなビジネスチャンスだけでなく、新たなリスクや潜在的脅威をももたらしました。例えば、タイの企業においては、サイバー犯罪のみならず、資産の横領、贈収賄、汚職といったさまざまな経済犯罪の脅威が深刻さを増しています。
自社に悪影響を及ぼし得る状況に対し効果的なモニタリングと迅速な対応を実施できる体制が整っていれば、いち早い適切な対応につながり、組織の財務、評判、事業への悪影響を抑えることができます。KPMGのフォレンジック部門では、企業が直面する重大なリスクに対処するためのさまざまなツールやサービスを提供しています。
KPMGのフォレンジック部門は、世界各国に総勢約5,000名のプロフェッショナルを擁し、それぞれが、不正会計、テクノロジー、法規制等の分野において多種多様な経験を有しています。状況に応じて、現地語を話せる人材や現地の法規制環境に精通した人材、現地の慣習を理解している人材などを配置し、最適なチームを組成します。
- 複雑な状況を打破する優秀な人材
- 現地におけるプレゼンスの高さと国外のKPMGプロフェッショナルの活用
- KPMG共通の不正調査手法とチーム間の連携体制を通じた一気通貫のサービス
各サービスの紹介
KPMGタイのフォレンジック部門は、下記の通り、不正調査・予防、危機対応等に関するさまざまなサービスを提供しています。
不正リスク管理 |
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不正調査 |
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企業調査 |
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係争・建設案件遂行支援 |
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フォレンジックテクノロジー |
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契約遵守関連サービス |
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マネー・ローンダリング対策 |
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業務実績
業界 | 詳細 |
製造業 | クライアントに対し、タイ子会社における異常な資金移動に係る調査を支援しました。当該資金移動は、日本の親会社の規程のもと禁止されるものであるにもかかわらず、タイ子会社向けの当規程の翻訳版の作成またはその他有効な方法での伝達がなされておらず、資金移動の承認者が規程の内容を把握できていないことが判明しました。問題の資金は全額回収し、クライアントにおける損害は回避できました。加えて、再発防止策として内部統制の強化を支援しました。 |
製造業 | タイの電子機器メーカーグループ向けにデータアナリティクスプロジェクトを実施し、仕入・支払プロセスにおける不正リスクを検出しました。具体的には、過去の仕入および支払実績データを抽出し、偽造請求の兆候、利益相反、材料価格の不規則性といった、変則性や通常と異なる推移を検出するための手続きを実施しました。 |
飲食業 | 大手飲食業者に対し、ハイレベルなギャップ分析や健全性診断、不正リスク管理規程の策定(通報・相談手続きおよび不正調査・不正対策手続きを含む)等の不正リスク管理サービスを提供したほか、不正リスク評価ワークショップにおいてファシリテーターを務めたり、不正に対する意識の向上を目的とした研修を実施しました。 |
消費財産業 | 世界的消費財メーカーであるクライアント向けに、独立的立場から、取引のある販売会社1社に関する贈収賄・汚職状況の調査を実施しました。当該調査では、重要な経営陣メンバーに対するヒアリングや背景調査と、政府機関・公務員とのやりとりおよび販売・マーケティング活動に焦点を当て、贈収賄・汚職対策プログラムの評価を実施しました。また、手数料、販売促進キャンペーン、リベート、割引を中心に、販売委託契約の条件との整合性を確認したほか、高リスクとされる支出カテゴリーから一部取引を抽出し、内容を確認しました。 |
銀行業 | グローバル銀行のタイ支店における取引モニタリング・制裁スクリーニング制度の検証を実施し、当該制度が偏りのない、グローバルおよび現地の規制要件に沿ったものとなっているか、使用される情報が網羅的かつ正確であり適時に処理されているか、充分に文書化されているかといった点を評価しました。具体的には、資料の閲覧、ヒアリング、現地調査、データアナリティクス、およびサンプリングテストを実施しました。 |
KPMGタイ フォレンジック部門
不正会計、法務、テクノロジーの専門家をはじめ、 約20名のフォレンジック分野のプロフェッショナルが在籍しています。加えて、その他の分野で活躍する1,600名のプロフェッショナルを擁しています。KPMGタイは、タイ国内のみならず、ラオスのビエンチャンおよびミャンマーのヤンゴンにも拠点を置いています。規制対応、契約ガバナンス、各種調査における豊富な経験を持つプロフェッショナルが、案件の目的と戦略に沿ったサービスを提供します。