独占禁止法とは 競争法とは

日本の法令である「独占禁止法」の正式名は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」で、国民経済の民主的で健全な発達、及び消費者の利益を確保するために、主に、①不当な私的独占、②不当な取引制限(カルテル・談合等)、③不公正な取引方法を禁止じています。

日本の「独占禁止法」のように市場における公正で自由な競争の実現を目指す法律は、一般に「競争法(Competition Law)」と呼ばれています。現在、経済のグローバル化、市場経済化の流れを受けて、世界各国・地域で競争法の整備が進んでおり、競争法を持つ国・地域は毎年その数を増やしています。競争法・独占禁止法は、多くの国(新興国を含む)において制定されていますが、そのほとんどの国で、課徴金減免(リニエンシー)制度も制定されています。

競争法・独占禁止法の遵守体制構築の必要性

次の理由から、競争法・独占禁止法の遵守体制構築の必要性が高まっています。

  • 日本企業における海外事業の重要性が高まる中で、海外当局による日本企業に対する「カルテル」による摘発リスクが高まっていること
  • 特に米国・EUの当局から課される制裁金は莫大であるとともに、米国当局により経営層が収監される可能性もあることから、グローバル企業における競争法の違反リスクは「重大リスク」といえること

確立のメリット

各国当局の要求事項にも通用する、競争法・独占禁止法の遵守体制を構築することにより、次のようなメリットが得られます。

  • 「カルテル」を早期発見し、当局に自主申告した場合には、制裁が免除または軽減される可能性があること
  • 米国当局の捜査において、「有効なコンプライアンス体制」が確立されていると評価された場合には、制裁が免除または軽減される可能性があること

お問合せ

現状診断・制度導入からフォレンジック技術を活用した監査・緊急時対応までの幅広いサービスを提供します。

I. 現状診断・評価

  • 現状診競争法・独占禁止法の遵守体制短期診断
  • カルテルリスクの評価
  • ディスカバリー対応体制評価断・評価

II. 制度設計・導入

  • コンプライアンス体制の導入計画策定
  • 方針・行動規範・規程・ガイドライン等の策定
  • 導入研修・コンプライアンス研修の実施

III. 監査・モニタリング

  • 電子メール監査の実施
  • 文書・データ監査の実施

IV. 緊急時対応

  • 事実調査の実施
  • ディスカバリー対応


競争法・独占禁止法の遵守体制構築支援に関するサービス内容

I. 現状診断・評価

  • 1. 競争法・独占禁止法の遵守体制短期診断
    各国当局が公表しているガイドライン・指針等に照らして、競争法・独占禁止法遵守のコンプライアンス体制について、海外当局の要求に通用するか短期診断で評価します。客観的な視点からの評価・診断結果を得ることで、規制当局への説明責任力を高めるべき余地を特定します。
  • 2. カルテルリスクの評価
    グループ本社が国際カルテルで摘発されるリスクを念頭に置いた事業リスク評価を行い、リスク度に応じたメリハリのあるルールやモニタリング制度を設計します。
  • 3. ディスカバリー対応体制評価
    海外当局による調査や、米英等での訴訟時に要求されるディスカバリー(証拠開示)の対応演習(社内ディスカバリー)の実施を支援し、円滑な有事対応やコスト削減の実現に向けた改善点と必要な施策を特定します。

II. 制度設計・導入

  • 4. コンプライアンス体制の導入計画策定
    先進企業への豊富な支援事例を踏まえつつ、自社にとって最適なコンプライアンス体制の導入計画を策定します。
  • 5. 方針・行動規範・規程・ガイドライン等の策定
    競争法・独占禁止法の遵守体制を確立するための規範文書の策定や、同業他社との接触統制ルールや接触局面別の遵守事項・禁止事項を示したガイドラインの策定(独占禁止法遵守マニュアル等)、当局から調査を受けた際の緊急時対応体制マニュアル等を策定します。
  • 6. 導入研修・コンプライアンス研修の実施
    各種の規範・ルール文書策定後の周知研修や、競争法違反を防止するためのコンプライアンス研修等を実施します。

III. 監査・モニタリング

  • 7. 電子メール監査の実施
    カルテルを早期発見するために、電子メール監査専用ソフトを活用し、リスク評価を踏まえた効果的・効率的なアプローチによる電子メール監査を実施します。
  • 8. 文書・データ監査の実施
    落札率のモニタリングや、同業他社との接触記録の監査、価格決定文書の監査などの文書・データ監査を実施します。

IV. 緊急時対応

  • 9. 事実調査の実施
    違反行為が発覚した(またはその疑義が生じた)際の事実調査(フォレンジック技術を活用したPCデータ復元、電子メール調査、会計データ分析、社内文書分析、インタビュー等を含む)を実施、または実施をサポートします。
  • 10. ディスカバリー対応
    KPMGのグローバルネットワークを活用し、海外当局による調査や米英等での訴訟におけるディスカバリーに対応します。

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