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      ハイライト


      1. 物流2024年問題は、2024年のうちに解決するのか
      2. トラック事業者からの賃上げ交渉への対応
      3. トラック輸送における原価/利益計算
      4. 適正な運賃の算出例
      5. 算出した「適正な運賃」の活用方法

      川嶋 優喜

      KPMG FAS シニアマネージャー

      KPMG FAS

      1.物流2024年問題は、2024年のうちに解決するのか


      トラックドライバーに対する残業規制が適用されてすでに半年以上が経過しました(2024年10月執筆時点)。物流2024年問題として「荷物が送れなくなる/届かなくなる」「物流コストが大幅に上昇する」などが懸念されていましたが、現状でそのような場面に直面している荷主企業は少ないものと考えられます。

      その一方で、トラックGメンによる是正措置や物流関連2法改正等の国による荷主企業への規制が強まった結果、従来のようにトラック事業者からの賃上げ交渉を無下に扱うことはできず、じわじわと輸送にかかる業務委託費(以下、「傭車費」といいます)が増加しているというのが実態です。

      「物流2024年問題は、2024年のうちに解決するのか」と問われることがありますが、答えはNOです。物流2024年問題の本質は、トラックドライバー不足による輸送キャパシティ不足、言い換えれば、輸送における需要と供給のバランスの変化にあり、残業規制はそれをより加速させたものと言えます。ドライバー不足による輸送キャパシティ不足は短期的に改善するものではありません。ドライバーの雇用促進には待遇改善が不可欠であり、その原資創出のためには、傭車費増・物流コスト増は避けられません。


      2.トラック事業者からの賃上げ交渉への対応


      今後も継続的に傭車費増・物流コスト増が見込まれるなかで、荷主企業としてどのような対応が必要になるのでしょうか。

      足元で最優先に対応すべきは、トラック事業者からの賃上げ交渉に対する対応方針の明確化です。これには物流コストの可視化、すなわち、トラック1運行あたりにかかる原価/利益の計算を行う必要があります。


      3.トラック輸送における原価/利益計算


      トラック1運行にかかる原価/利益計算は具体的にどのように行えばよいのでしょうか。

      この点について、国土交通省の「標準的な運賃」※1が参考になります。「標準的な運賃」とは、トラック事業者の正当な対価取得およびドライバー労働条件改善を目的として、国交省が作成・告示している運賃制度です。トラック事業者がトラックを1運行させた場合の原価を計算したうえで、一定の間接費や営業利益を乗せる形で運賃を算出しています。

      また、トラック1運行あたりの原価は、基本的に以下の3つの要素から構成されます。

      • ドライバーコスト
      • 車両コスト
      • 距離に応じた変動費

      ※1 国土交通省「「標準的な運賃」について」


      4.適正な運賃の算出例


      トラック1運行にかかる原価/利益計算方法は上述のとおりですが、実際に算出される金額については、設定する費目や各種パラメータ値、算出ロジック等に応じて大きく変化します。

      KPMGでは、国交省・経産省・厚労省等の公開情報や統計資料、一部の荷主・トラック事業者の間で実際に使用されている方面別の運賃情報(以下、「タリフ」といいます)、大手運輸業等の実務専門家からのコメント・アドバイス等を基に、現状の実態に即した適正運賃算出ツールを作成しました。


      5.算出した「適正な運賃」の活用方法


      走行距離と運行時間に基づき、ロジックで「適正な運賃」を算出することで可能となる、主要な活用方法は下記のとおりです。

      • トラック事業者からの賃上げの管理・抑制
      • トラック事業者からの見積もり取得時における目安としての活用
      • 現状の運賃に対する評価・診断

      なお、KPMGでは「適正な運賃」を算出するツールを有しているため、現状の運賃に対する評価・診断や、個別ルートにおける「適正な運賃」の算出を希望される企業様がおられましたら、下記の執筆者ページ等からお問い合わせください。

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      執筆者


      KPMG FAS
      シニアマネジャー 川嶋 優喜

      KPMG Japan Supply Chain Advisory Leadership(KPMG Japan SCALe)リードパートナー
      KPMG FAS
      執行役員 パートナー 岡本 晋