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      1. はじめに

      EUではTCFDに基づく気候関連リスクの開示は非財務情報に含まれると位置づけられていることから、EUの気候関連情報に関するガイドライン(TCFDガイドライン)は非財務情報を規制する非財務情報開示指令(NFRD:Non-Financial Reporting Directive, Directive 2014/95/EU)の中に位置づけられています注1

      EC(欧州委員会)は、このNFRDの改正に関するCD(コンサルテーションドキュメント)を2020年2月20日に公表し、6月11日まで意見募集を行っています注2

      注1EUのTCFD等開示ガイドラインとTCFD開示の義務化(強制適用)を模索する動き』(KPMG Insight Vol.41(2020年3月号))をご参照ください。

      注2 CONSULTATION DOCUMENT “REVIEW OF THE NON-FINANCIAL REPORTING DIRECTIVE”


      2. CDの概要

      CDでは、NFRD改正に際して、主に以下の項目に関する意見を求めています。

      (1)開示すべき非財務情報の範囲と品質
      現在のNFRDが比較可能性、信頼性、関連性の観点で大きな問題はないか、知的財産、人的資本、顧客基盤なども開示内容に追加するべきか等に関する意見を求めています。

      (2)標準化
      産業別に開示内容を標準化するべきか、TCFD、GRI(Global Reporting Initiative)、SASB(Sustainability Accounting Standard Board)など既存のフレームワークに関して、どこまで取り込むべきか等に関する意見を求めています。

      (3)重要性の原則
      現在のNFRDは非財務情報の開示に関する重要性の判断として、サステナビリティが企業業績等に与える影響と企業が環境と社会に与える影響の二重の判断を求めているが、これを継続するべきか等に関する意見を求めています。

      (4)記載内容の保証
      現状では財務諸表は監査対象となっているが、非財務情報の内容は監査対象でなく何らの保証の対象にもなっていない。非財務情報の重要性が投資家にとって増加し続ける状況において、財務情報と非財務情報の保証の有無に関する現状の差異を適当と考えるか等に関する意見を求めています。


      3. 今後

      意見募集が6月に終わり、半年程度で改正案が出ると仮定した場合、『第9回 TCFDの義務化(強制適用)を模索する最近の動き』、『第11回 TCFDの義務化(強制適用)とCOP26』でお伝えした2020年11月のグラスゴーでのCOP26(第26回 国連気候変動枠組条約締約国会議)の開催時期とタイミングが一致することになります。

      追記(2020/4/7)
      COP26は延期されました。延期後の開催予定日は未定です。


      ご紹介:TCFD及びEUタクソノミーに関するKPMGジャパンのサービス等

      KPMGジャパンでは、GSDアプローチによるTCFDアドバイザリーサービスを提供しています。
      また、EUタクソノミーに関するご相談を受け付けています。
      詳細は、ページ内の「お問合せフォーム」もしくは「ご依頼・ご相談 RFP(提案書依頼)」からお問い合わせください。
       

      ※ GSDアプローチとは、Gap analysis(TCFD最終提言とのギャップ分析)、Scenario analysis(シナリオ分析)、Disclosure analysis(開示内容・手法の妥当性分析)を指します。


      執筆者

      KPMGジャパン
      コーポレートガバナンスCoE/TCFDグループ
      テクニカルディレクター 公認会計士 加藤 俊治

      加藤 俊治

      KPMGサステナブルバリューサービス・ジャパン/有限責任 あずさ監査法人 金融統轄事業部/サステナブルバリュー統轄事業部 テクニカル・ディレクター

      あずさ監査法人


      気候変動リスクは投資家、開示企業だけでなく社会的な関心事です。サステナビリティを見据えてTCFDに関するさまざまな情報を提供します。

      気候関連リスクに関する社会の関心が高まっています。本ページでは、関連するさまざまな情報について、最新動向を含め発信しています。

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