企業を取り巻く経営環境は常に変化しており、複雑化したリスクがいつ顕在化し、事業継続に影響をもたらすかを予測することは困難です。
KPMGは、危機的な状況の発生に伴う混乱のなかでもビジネス/サービスを安定的に提供し続けるための能力、すなわちオペレーショナルレジリエンスの確立を支援します。

オペレーショナルレジリエンスとは

オペレーショナルレジリエンスとは、パンデミック、サイバーセキュリティの侵害、経営資産の棄損といった混乱、あるいは業務の属人化などの日常的な出来事のなかでも、ビジネス/サービスを安定的に提供し続けるための能力です。
金融業界で提唱され始めたこの概念は、他の業種においても有効です。リスクが世界的に複雑化・激甚化し、ESG経営が求められる社会において、ステークホルダーからの期待・要請のレベルもより高まっており、オペレーショナルレジリエンスの重要性が増しています。

オペレーショナルレジリエンス確立のポイント

オペレーショナルレジリエンス確立のためには、企業の責任者がレジリエンスに対する明確なリーダーシップを持ち、説明責任を果たすことが必須です。その重要性を認識せずリーダーシップが発揮されていない場合、適切なリソース投資計画を立て、ビジネスを止めないための施策を実行していくことが難しくなります。また、ビジネス単位での事業継続を検討すべきところ、業務や組織単位での検討にとどまってしまう可能性もあるでしょう。

Resilience TOMのアプローチと効果

レジリエンス領域の変革フレームワークであるレジリエンスターゲットオペレーティングモデル(Resilience TOM)は、グローバルの先進事例や最新のIT技術を集約し、競争上の優位性、ステークホルダーからの信頼を獲得することを目的として、企業が前述のような課題を解決し、オペレーショナルレジリエンスの確立を加速できるよう設計されています。
Resilience TOMにおける詳細なアプローチは主に以下の12ステップであり、業務プロセス変革の立案から、ビジネス/サービスが停止した場合の事業継続・復旧対応計画の策定とその運用までをカバーしています。

【Resilience TOMにおけるオペレーショナルレジリエンス確立のための主要ステップ】

オペレーショナルレジリエンス確立支援_図表1

Resilience TOMに含まれるアセットについて

Resilience TOMにおいては、前述のオペレーショナルレジリエンス確立のための主要なステップ別に、6つの変革テーマが設定され、各テーマごとに合計17のアセットが提供されています。
アセットにはエンドツーエンドで網羅的に業務を定義した「プロセス分類」や「担当者別プロセスフロー」、他社で実際に採用されているソリューションを記した「先進事例」などが含まれています。さらに、組織や機能における役割と責任について記載した「組織とロールのマトリクス」、作業内容に基づきどういった拠点や部門で業務実行すべきかを定義した「サービス提供フレームワーク」に加え、オペレーショナルレジリエンスKPI/他社ベンチマーク数値をまとめた「KPIおよび関連ベンチマーク」、業務リスクポイントやポリシー、関連する規定をリストアップした「セキュリティ&統制」、「ポリシー」等、多岐にわたります。
これらを活用することで、オペレーショナルレジリエンスの確立を総合的・多面的にサポートします。

【Resilience TOMの6つの変革テーマ】

オペレーショナルレジリエンス確立支援_図表2

【6つの変革テーマと17のアセット】

オペレーショナルレジリエンス確立支援_図表3

Resilience TOMの活用

構想策定段階における成熟度モデルによる診断
構想策定段階において、TOMアセットの1つである「成熟度モデル」を用い、企業のあるべき姿と現状とのギャップを把握し、ギャップが大きい項目を優先課題と定義して実行施策の策定に活用することができます。

【「成熟度モデル」を利用した変革ポイントの抽出】

オペレーショナルレジリエンス確立支援_図表4

KPIおよび関連ベンチマークによる重点課題の把握
優先度の高い重要業績評価指標(KPI)、生産者物価指数(PPI)、重要リスク指標の一覧を提供することで、経営陣が重視すべき課題を把握し、企業のオペレーショナルレジリエンス確立・運用の設計検討に役立てることができます。

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