IFRS第16号「リース」~適用に向けて~シリーズ5:リースの条件変更
本シリーズは、IFRS第16号に関して、実務担当者等が一般的に疑問に思うであろう論点、そして基準の理解に際して混乱しやすいと思われる論点について、Q&A及び設例形式により明確化を目指すものです。第5弾である本冊子は、リースの条件変更が行われた際の取扱いについて解説しています。
本シリーズは、IFRS第16号に関して、実務担当者等が一般的に疑問に思うであろう論点、そして基準の理解に際して混乱しやすいと思われる論点について、Q&A及び設例形式により ...
ハイライト
リースの条件変更について
IFRS第16号「リース」は、2019年1月1日以後に開始する事業年度の期首(早期適用しない3月決算会社のIFRS適用会社の場合には2019年4月1日)から強制適用が開始されます。IFRS第9号「金融商品」(2014年版)及びIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」もすでに適用が開始されており、いよいよ新リース基準の適用も目前に迫ってきました。
新しい基準を適用する際には、通常業務に加えて追加的な実務の負担を要することが常ではありますが、特に金融商品会計、収益認識基準と大型基準の導入が続く中で、新リース基準の適用が実務担当者に課す負担・プレッシャーは少なくありません。
IFRS第16号におけるリース会計は、従来のIAS第17号や日本基準のリース会計基準とは考え方が大きく異なるものであり、新基準の適用が実務及び財務情報に与える影響を慎重に評価・検討することが必要です。なお、新基準においては貸手の会計処理に及ぼす変更はあまりないものの、リースの条件変更については、貸手についても新たな定めが設けられており、注意が必要です。
さらに、IAS第17号からIFRS第16号への移行に際しては、様々な経過措置が設けられており、比較期間を修正再表示するか否かを含めた多岐にわたる選択肢が存在することから、これらを効率的かつ有効に利用することが、移行プロジェクトを成功させるために重要となります。リースの条件変更というと、一見、IFRS第16号が適用された後に、しばらく経ってからはじめて利用することになる規定と思われるかもしれませんが、新基準への移行措置の選択によっては、適用開始日から、リースの条件変更の規定を反映して使用権資産とリース負債を測定する必要があり、新リース基準を正しく適用していく上で、条件変更の会計処理を正しく理解することは不可欠と考えられます。
あずさ監査法人はIFRS第16号の公表を受け、2016年2月に日本語解説資料『IFRSの新リース会計 ~概説 IFRS第16号~』をリリースし(翌3月に米国の新リース基準を取り込むため改訂)、引き続き同年7月に『図解&徹底分析 IFRS「新リース基準」』を出版しました。2017年7月からは、実務上のポイントにフォーカスした情報を新シリーズで提供開始しており、本冊子は、第1弾「新基準への移行」、第2弾として「リースの定義」、第3弾「割引率」、第4弾「リース料」に続く第5弾として、リースの条件変更が行われた際の取扱いについて解説を行うものです。
PDFの内容
- 「リースの条件変更」とは何か
- キーコンセプト
- 借手にとってのリースの条件変更
- 貸手の条件変更
- リースの条件変更の発効日
- IFRS第16号への移行時の留意点
Appendix 1 - IFRS第16号「リース」の概要
Appendix 2 - 設例のリスト
執筆者
有限責任 あずさ監査法人
IFRSアドバイザリー室