近年、多くの企業でマーケティングオートメーション(MA)ツールが導入され、大量の顧客接点データが蓄積・活用されています。一方で、実際の現場では、表面的な相関分析にとどまり、施策と成果の因果関係まで把握できていないケースや、顧客行動の複雑化、データのサイロ化によって、どの施策がどのように成果に寄与したのかを十分に検証できないケースも少なくありません。その結果、効果が限定的な施策が継続され、マーケティングコストの最適化や、投資対効果の向上が難しくなることがあります。
KPMGは、因果探索(Causal Discovery)と因果推論(Causal Inference)を統合した分析ツールを活用して、企業のマーケティングデータから施策の因果構造を抽出し、施策効果の定量評価までをワンストップで支援します。高度なデータ分析技術と、企業が保有するマーケティングデータを組み合わせることで、データドリブンなデジタルマーケティングへの変革を実現し、施策の最適化につなげます。
KPMGの因果分析によるデジタルマーケティング高度化支援の概要
企業が直接保有するデータ、またはMAツールを通じて蓄積されたマーケティングデータ(顧客データ、施策データ等)を対象に、因果分析ツールを活用して、施策の効果や顧客行動の構造を可視化します。
単なる相関関係の把握にとどまらず、下図のように 「どの施策が、どの顧客に、どのような影響を与えたのか」 という因果のメカニズムに踏み込み、マーケティング施策の見直しや高度化を支援します。
(1)因果構造・メカニズムを発見し、顧客の行動・意思決定の要因を特定
AIがデータから統計的な因果構造・メカニズムを推定し、顧客の行動や意思決定に影響を与える要因を特定します。
たとえば、以下のようなテーマに対して、データドリブンに因果関係を可視化します。
- 顧客向けメールマガジンの開封が購買行動に影響しているのか
- 顧客属性が購買の意思決定を左右しているのか
- 顧客フォローアップがサービス解約率にどの程度寄与しているのか
従来の手作業による分析や、経験則に依存した判断では見落とされがちな要因についても、顧客行動データから探索し、施策がもたらす効果の推計につなげます。
(2)最適な施策シナリオの策定を支援
抽出した因果構造データをもとに、最も高い効果が見込まれる施策シナリオの策定を支援します。
たとえば、以下のような活用が可能です。
- MAツール内のシナリオ設計の高度化
- MAを含むコミュニケーションプランの見直し
- 顧客接点全体を踏まえたマーケティングシナリオの最適化
データに基づくシナリオ設計により、属人的な判断に依存しない、再現性の高い施策立案を実現します。
(3)効果が限定的な施策を削減し、予算配分を最適化することでマーケティング投資利益率(MROI)を向上
投資対効果の低い施策をデータによって特定し、それらを見直すことで、限られた予算をより成果の見込める施策へ再配分します。
これにより、マーケティングコストの最適化とともに、以下のような主要指標の向上を支援します。
- ROAS(Return On Advertising Spend:広告費に対して得られた売上の割合)
- LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)
- MROI(マーケティング投資利益率)
本ツールの特徴
因果探索(Causal Discovery)と因果推論(Causal Inference)を統合した分析ツールで、企業が保有するマーケティングデータから因果構造を抽出して分析し、マーケティング施策の効果の定量評価を実施します。
技術面における特徴は、以下のとおりです。
- 複数の因果探索アルゴリズムを並列実行し、アンサンブルにより信頼性の高い因果関係の候補を抽出
- エッジ強度(係数・部分相関)と複数アルゴリズムの合致度を指標化する
- 推定因果グラフに基づく因果推論により、施策のもたらす効果として平均因果効果(ATE)を推計
- 複数変数のグルーピングと、グループ間の許容パターンおよび例外指定により、専門知見や業務ロジックに沿った因果仮説の構築