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      企業活動の複雑化とデジタル化が進むなか、不正リスクへの対応はますます高度化が求められています。あずさ監査法人はAI技術を活用し、より高度で実務に即した不正検知の仕組みを構築しています。本連載では、「AI×不正対応」をテーマに、当法人が取り組む技術と実務への応用事例について紹介します。

      第1回となる本稿では、PDFファイルや画像データに対する、AIによる証憑改ざん検知支援ツール「KaizanCheckBot_ai」について取り上げます。企業活動のデジタル化が進むなか、請求書や契約書などの証憑も紙から電子ファイルへと移行しています。便利になった一方で、肉眼では見つけにくいファイルの改ざんリスクも高まっています。こうした不正行為に対して、監査法人がどのようにAIを活用して不正検知・対応の強化に取り組んでいるかを紹介します。


      KaizanCheckBot_aiとは? 改ざんの痕跡を検知するAI

      KaizanCheckBot_aiは、PDFや画像データに対して「改ざんされている可能性があるかどうか」をAIが判断するツールです。ファイルの属性情報(メタデータ)や、画像の加工痕などを分析し、疑いのある箇所を検知します。たとえば、請求書の金額が「塗りつぶし」や「上書き」で変更されていた場合、人の目では気づきにくいことがあります。KaizanCheckBot_aiは、そうした改ざんの痕跡を見つけ出し、分かりやすく表示してくれます。監査人は出力された結果を見ながら、リスクが高い箇所をすぐに確認できます。また、さまざまな不正に至る改ざん方法を想定したリスクシナリオに対応するため、新しい機能が随時追加される「日々進化しているツール」であることも大きな特徴の1つです。


      ファイルの“中身”もチェックできる

      KaizanCheckBot_aiは、見た目だけでなく、PDFの構造を解析し、ファイルの中に含まれる情報もチェックします。たとえば、PDFファイルには「電子署名」や「テキストボックスなどのオブジェクト」などの情報が含まれることがあります。このツールは、「電子署名された後に編集された形跡がある」「不自然な箇所にテキストボックスが配置されている」といった通例でない処理を検知し、監査人に提示します。これにより、改ざんのリスクをより広い視点から検知できます。


      KaizanCheckBot_aiの実務適用と成果

      KaizanCheckBot_aiは、既に監査業務において実際に導入されています。具体的な事例として、突合手続のためにPDF等のデジタルデータで入手した領収書などに対してKaizanCheckBot_aiを適用し、日付や金額等が改ざんされていないかを確認します。その結果、経理担当者が金額を改ざんした不正を発見した事例がありました。監査の信頼性向上に寄与しており、AI技術の有効活用事例の1つといえます。


      技術の詳細について

      技術の詳細については、こちらの記事で公開しています。詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

      https://kpmg.com/jp/ja/insights/2023/11/fraud-kaizancheckbot-ai-discussion-paper.html

      あずさ監査法人では、こうした技術の活用を通じて監査業務を高度化し、資本市場の信頼を確保することを目指しています。AIによる不正検知は、単なる技術革新ではなく、監査法人としての社会的責任を果たすための重要な手段であると位置づけています。

      次回は、あずさ監査法人が開発した「Fraud Risk Scoring_ai_3.0」について取り上げます。Fraud Risk Scoring_ai_3.0は、より広範な不正検知を可能にするAI基盤として注目されています。

      あずさ監査法人では、今後もAI技術と監査の融合による業務革新に継続して取り組みます。


      執筆者

      あずさ監査法人
      Digital Innovation&Assurance統轄事業部

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