「リースに関する会計基準」が2024年9月に企業会計基準審議会(ASBJ)から公表され、2027年4月以降に開始する事業年度から適用されます。借手の会計処理においては、従来のオペレーティング・リースのオンバランス化や、使用権資産に関する減価償却費および利息費用の認識など、IFRS第16号の主要な規定が採用されています。
新基準の適用にあたっては、会計論点の整理や方針決定に加え、リース取引に関する情報収集プロセスの設計やシステム導入が多くの場合不可欠です。プロジェクトの初期段階で主要方針を確定し、早期に設計・導入に着手することが成功の鍵となります。
そのため、プロジェクトチームを編成し、必要に応じて専門家の知見を活用しながら、デジタルツールを用いて効率的に進めることが求められます。
サービス概要
KPMGは、新リース会計基準の導入に向けて、企業の状況やニーズに応じた包括的かつ柔軟な支援を提供しています。会計方針の決定から業務プロセスの再設計、システム導入、会計監査対応に至るまで、各段階で専門的なサポートを実施します。
プロジェクト・ロードマップ例
3月決算会社において見込まれるロードマップの一例
特に、AIを活用したリース契約自動読込ツール「KLAS(KPMG Lease Abstraction Solution)」により、契約情報の抽出やデータ移行の効率化を図り、プロジェクトの迅速な推進を支援します。
会計面では、会計処理マニュアルの作成、連結パッケージの改修、影響額のシミュレーション、開示項目の検討、管理会計の見直し、会計監査対応などを網羅。業務面では、契約管理方法の現状把握から課題の特定、不動産リース契約の一覧化、新基準対応の業務設計までを支援します。
さらに、システム全体構想の策定、ベンダー選定、データ移行などのIT面の支援も行い、実務上の疑問や課題には「会計オンコール」による迅速な対応が可能です。
これらの支援は、企業ごとの状況に応じてカスタマイズされ、効率的かつ確実な新基準の適用を実現します。KPMGの専門知識とデジタルツールを活用することで、複雑な会計基準変更にも安心して対応いただけます。
AIを活用したリース契約自動読込ツール(KPMG Lease Abstraction Solution(KLAS))
サービス提供事例
- クライアントの課題
新リース会計基準の適用にあたり、クライアントはまず、リースに該当する取引の網羅的な洗い出しを行う必要がありました。従来のリース契約に加え、その他の契約も対象となるため、契約書の詳細な確認や調査が求められ、相当な工数を要する状況でした。さらに、会計処理にあたっては、リース期間の年数や割引率の決定など、実務上の判断事項が多岐にわたり、財務インパクトや業務・システムへの影響を踏まえた最適な対応が必要でした。加えて、個別財務諸表からの適用に伴い、連結財務諸表作成時には借手・貸手間の複雑な相殺消去仕訳が発生し、整合性の確保が課題となっていました。業務プロセス面でも、従来の体制からの見直しが不可欠であり、部門間の役割分担を含めた新たな業務設計が急務となっていました。
- KPMGの支援内容
- 専門家による統合チームの構成
会計の専門家と業務プロセス・システムの専門家が連携するチームを常時組成し、統合的な支援体制を構築 - 新リース会計基準への対応支援
本事例においても、同様の体制のもとでIFRS第16号を含む新基準への対応を支援 - 会計方針・処理に関する助言
IFRS第16号に精通した会計専門家が、会計方針や詳細な処理に関する実務的な論点を整理し、企業にとって最適な判断を支援 - 業務プロセス設計の支援
現業部門、固定資産管理部門、経理部門などの部門横断的な業務構造を踏まえ、組織運営に即した効率的なプロセス設計を支援 - リース管理システム導入支援
契約管理・固定資産・会計・稟議などの周辺システムとの連携を考慮し、以下の工程を一貫して支援:- 業務プロセスに基づく要件定義
- ベンダー選定
- 導入後の運用設計
- 制度対応の確実な完了
実務に根差したアプローチにより、手戻りなく制度対応を完了
ここで紹介するサービスは、公認会計士法、独立性規則および利益相反等の観点から、提供できる企業や提供できる業務の範囲等に一定の制限がかかる場合があります。詳しくはあずさ監査法人までお問い合わせください。
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主要メンバー
新リース会計基準適用を支援している主要メンバーです。
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