会計システムに求められる機能と役割―伝票項目でのポイント(2)―

経理財務部門が企業の経営層の意思決定サポートを効果的に発揮するための基礎となる会計情報をどのように集約・集計すべきか、経理財務業務の在り方、およびITシステム利活用のポイントを含め説明していきます。

経理財務部門が企業の経営層の意思決定サポートを効果的に発揮するための基礎となる会計情報をどのように集約・集計すべきか、経理財務業務の在り方、ITシステム利活用のポイントを含め説明

今回は、会計伝票のデータモデルの構築におけるポイントの(2)について整理していきましょう。

(1)会計伝票に保持すべき伝票項目の設計
(2)伝票項目と勘定科目体系の関係
(3)最適な会計情報経路の設計
(4)定義が変わりうる管理集計軸への考慮

(2)伝票項目と勘定科目体系との関係

経営管理の高度化への意識の高まりや経理業務の標準化の取組みの推進のもと、勘定科目をグループ全体で統一的に定義することの重要性が増してきています。このため、さまざまなニーズに対応しながらも、なるべくシンプルな勘定科目体系になるよう考慮します。

例えば一部の企業においては、事業別・製商品群別などで取引金額を集計するニーズがあり、それらの属性を埋め込んだ形で科目設定を行っているケースがあります。この場合、同一の勘定科目であっても管理集計軸に応じて細かく分割されてしまいます。これが決算業務の煩雑化、および連結グループ内での勘定科目の統一運用の阻害要因となることもあります。

これに対し、管理単位や集計単位を勘定科目から排除して、伝票項目として設定することで、勘定科目の簡素化が可能になります。(図1)

図1 勘定科目と会計伝票項目との関係イメージ

会計システムに求められる機能と役割―伝票項目でのポイント(2)―1

次回は、(3)最適な会計情報経路の設計について、解説していきます。

執筆者

あずさ監査法人
Digital Innovation本部
経理DXチーム

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