会計システムに求められる機能と役割―伝票項目でのポイント(1)―

経理財務部門が企業の経営層の意思決定サポートを効果的に発揮するための基礎となる会計情報をどのように集約・集計すべきか、経理財務業務の在り方、およびITシステム利活用のポイントを含め説明していきます。

経理財務部門が企業の経営層の意思決定サポートを効果的に発揮するための基礎となる会計情報をどのように集約・集計すべきか、経理財務業務の在り方、ITシステム利活用のポイントを含め説明

今回から4回に分けて、「ハブ」としての会計システムにとって、特に重要となる機能は会計システムに求められる機能と役割(2)の通りですが、ここでは、伝票項目(収容設備)に焦点を当てて解説します。

会計伝票のデータモデルの構築では以下に留意する必要があります。ここでは、下記4つのうち、(1)について整理していきましょう。

(1)会計伝票に保持すべき伝票項目の設計
(2)伝票項目と勘定科目体系の関係
(3)最適な会計情報経路の設計
(4)定義が変わりうる管理集計軸への考慮

(1)会計伝票に保持すべき伝票項目の設計

後方業務における管理・集計ニーズに対応するため、必要十分な伝票項目の設計が重要です。下図は、会計システムとして必要最低限の役割を果たすために必要と考えられる伝票項目の一例です。(図1)

図1 伝票ヘッダ項目/伝票明細項目の一例

会計システムに求められる機能と役割―伝票項目でのポイント(1)―1

単一の事業を営んでいる企業が、「決算業務に必要なデータのみ会計伝票に記録されていればよい」というのであれば、これで十分かもしれません。

ただし、実際の後方業務には、例えば、製商品群別に販売予算と対応する売上実績を対比管理する、といった集計ニーズなどが存在します。制度連結やIR資料などの外部報告で必要となるデータを効果的に集計するのであれば、製商品品種コードや事業単位コードといった、そのための伝票項目も必要です。

次回は、(2)伝票項目と勘定科目体系との関係について、説明していきます。

執筆者

あずさ監査法人
Digital Innovation本部
経理DXチーム

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