会計システムに求められる機能と役割(1)
経理財務部門が企業の経営層の意思決定サポートを効果的に発揮するための基礎となる会計情報をどのように集約・集計すべきか、経理財務業務の在り方、およびITシステム利活用のポイントを含め説明していきます。
経理財務部門が企業の経営層の意思決定サポートを効果的に発揮するための基礎となる会計情報をどのように集約・集計すべきか、経理財務業務の在り方、およびITシステム利活用のポイントを説明
会計システムのハブ機能
財務諸表作成の元となる会計データは、通常、会計伝票を通じて、会計システムに蓄積されます。このため「財務報告/分析」業務においてITの利活用を考える際、この会計システムが中核に位置することになります。一方で、その前方業務、後方業務にはさまざまな業務・システムが存在します。
例えば前方業務には、「取引の処理」を行う販売管理、購買管理、在庫管理などの業務・システムがあります。これらを通じて記録された取引が、会計伝票という形で連携され、会計データとして会計システムに蓄積されるという関係にあります。
また、後方業務にもさまざまなものがありますが、もっとも重要なのは経営管理業務、経営管理システムです。経営管理業務に用いられるデータは必ずしも財務情報に限られず、非財務情報も 組み合わせた分析、評価が行われることが一般的ですが、会計システムを通じて蓄積・集計された会計データは、その中でも重要なインプット情報と位置付けられます。
社内で生成される会計データの記録・集計・活用という一連のプロセスを考えた場合、会計システムは各種業務、各種ITシステムをつなぐ「ハブ」として非常に重要な役割を担っているといえます。
図1 ハブとしての会計システム
次回は、このような会計システムにおいて、必要な機能について触れていきます。
執筆者
あずさ監査法人
Digital Innovation部
経理DXチーム