近年、我々の生活を取り巻くエレクトロニクス製品や自動車の部品の製造に不可欠な鉱物資源のサプライチェーンにおいて、「責任ある鉱物調達」への取組みが進められています。コンゴ民主共和国とその周辺地域といった紛争地域における一部の鉱物採掘が、武装勢力の資金源となり結果として紛争を助長しているとする紛争鉱物問題への関心の高まりに加え、サプライチェーンにおける児童労働、環境問題など、紛争問題に限らない、より広範なリスクへの関心も高まっており、サプライチェーンに位置する企業の多くが責任ある鉱物調達への取組みを進めています。
責任ある鉱物調達を推進するための国際的なデューデリジェンス・フレームワークである「 OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデューデリジェンス・ガイダンス( OECD Due Diligence Guidance for Responsible Supply Chains of Minerals from Conflict-Affected and High Risk Areas)」では、( OECDガイダンス)鉱物サプライチェーンにおけるリスクベースのデューデリジェンスの要件ないし工程として 5つのステップを示しています。そして、 4番目のステップでは、鉱物サプライチェーンのうち製錬/精錬企業のデューデリジェンスが OECDガイダンスに適合していることについて第三者監査を受けることを要請しています。サプライチェーンの川上に位置する企業のサプライチェーン・デューデリジェンスに対する第三者監査は、透明性の高い鉱物サプライチェーンの確立のために重要な構成要素です。
OECDガイダンスに準拠した責任ある鉱物調達を求める制度としては、米国金融規制改革法( US Dodd-Frank法)に基づく紛争鉱物報告制度、欧州の紛争鉱物報告制度、責任ある鉱物イニシアチブ( RMI)の責任ある鉱物保証プロセス( RMAP)、ロンドン地金市場協会( LBMA)の責任ある金および銀のガイダンスなどがあります。