重大な不正・コンプライアンス違反
―発見の観点から―
製品データ改ざん(性能偽装)・贈収賄・カルテル・不正会計等の重大な組織不正に関与している従業員は、次のような理由により、内部通報の利用を躊躇する傾向があるため、内部通報が一切利用されず発覚が遅れた重大不正事案が多く見られます。
- 自身が特定されて、人事・業務上の不利益を被るのではないかという不安
- 組織・職場の同僚に迷惑をかけるのではないかという不安
一方、従業員アンケートは、従業員に次の安心感・期待感を与えることができるため、不正の実態を表した回答が得られやすいメリットがあります。
- 全従業員に対して無記名式で実施するため、不正の事実を回答しても本人が特定がされないという安心感
- 会社がコンプライアンス事案について積極的に対処する姿勢を示していると理解し、不正の事実を報告すれば事態を改善してくれるという期待感
コンプライアンスの周知度
―測定の観点から―
会社が実施しているコンプライアンスの周知策には、行動規範や各種周知ツールの配布・コンプライアンス研修など様々な取組みがあります。これらが従業員に有効に浸透しているかを見極め、改善策を打つためには、従業員アンケートにより周知度を定期的に測定することが有効です。
コンプライアンスアンケート
―実施上の留意点―
重大不正の発見を目的に従業員アンケートを実施する場合、以下の点に留意する必要があります。
- 自社の事業内容から発生し得るリスクシナリオを検討すること
- 従業員に対してリスク内容が十分に伝わるよう設問の表現を工夫すること
- 回答率を上げるために、設問の分量には十分に配慮すること
KPMGは、重大不正の予防・早期発見に有効なコンプライアンスアンケートを実施するためには、下記が重要と考えます。
設問設計:
自社の事業内容から想定されるリスク、実施しているコンプライアンスの周知活動、
アンケート回答に割ける時間等を踏まえて、設問を検討すること。
回答回収:従業員の方が安心して回答・回収するための仕組みを講じること。
集計分析:事業部門別・部署別・階層別・入社年次別などの多面的な分析を実施することで、
コンプライアンス上の不具合や周知活動の改善点を洗い出すこと。
報告書:単純に集計結果を記載するのではなく、集計結果から導出される改善施策を検討すること。
改善施策については、会社の事業内容・規模等を加味し、豊富な先進企業の事例・他社事例等を踏まえて検討すること。
フォローアップ:得られた回答についてリスク評価を行い、優先順位をつけてフォローアップ調査や状況確認等を行うこと。
従業員アンケートによる不正リスクの洗い出しの支援に関するサービス内容の一例をご紹介します。