製造業を取り巻く事業環境は大きく変化しており、補修部品事業においても環境が複雑化しています。補修部品はSKU(Stock Keeping Unit)数が多く需要の不確実性も高いため、製品事業と比較しても、需給管理の精緻化や在庫配置の見直しには依然として多くの改善余地があります。
KPMGは、補修部品事業の競争力を高めるため、市場特性を踏まえた需給管理体制を構築し、グローバル全体での在庫配置の最適化を支援します。
補修部品事業の特徴
機械製品全般の補修部品事業は、製品ライフサイクルの変化、環境・安全に係る制度対応の拡大、新技術の導入、仕様の細分化などを背景に、事業環境が複雑化しています。これに伴い管理すべきSKU数は増加傾向にあり、需要のタイミングや数量のばらつきも大きく、製品事業と比較して需給管理や在庫配置が本質的に難しい領域です。
加えて、補修部品は迅速な納品を求められるケースが多く、欠品回避優先の傾向があります。また、製品生産用部品と利幅や収益構造が異なるため、需給管理が緩み、欠品より在庫超過を許容する判断が優先されます。そのため在庫が増えても問題と認識されず、改善につながりにくいと言えます。
課題解決の3つの軸
企業間競争が激化するなかで、補修部品事業も従来のオペレーションのままでは競争力の維持が難しくなっています。特に製品事業と比べると、需給管理の精緻化や在庫配置には依然として改善余地が残ります。
補修部品事業では、市場ごとの需要特性がSKU設定に十分反映されず、在庫拠点で過剰在庫と欠品が同時に発生するような構造が生じています。また、在庫拠点の役割に応じた需給管理や在庫補充方式が必ずしも適切に使い分けられておらず、需要特性に基づく在庫配置が実現していない点も課題です。加えて、需要の不確実性が高いにもかかわらず、予測が外れることを踏まえた適切なリカバリープランを検討・実行できる業務プロセスの設計がなされていないことも、需給精度・在庫最適化を阻む要因となっています。
これらの課題に対応するには、以下の3点を軸とした取組みが求められます。
予測の外れに強い需給管理業務の構築
同一SKUでも市場ごとに売れ行きが異なるため、SKUと市場の組み合わせ単位で管理が必要な場合があります。SKUは需給管理の基盤であり、在庫配置の検討に不可欠です。物流ネットワーク全体の最適化には、出荷頻度の低い品目を上流、高い品目を下流に置くことが有効ですが、サービスレベルを維持しつつ最適化するには調整機能が必要です。
このため、最適在庫量を数理モデルで算出し、SKUを基盤に適切な需給・補充方式を適用します。また、需要予測は外れることもあるため、リカバリー可能な業務プロセスと、それを支える意思決定ダッシュボードを一体で構築し、モデル・業務運用・デジタルを連動させて、実効的な在庫最適化を実現します。
【出荷頻度に基づく、需給管理や在庫補充方式の一例】
KPMGの支援
先に示した課題解決の3つの軸(a/b/c)は、補修部品需給管理を成立させるうえで不可欠な観点です。まず、SKUの粒度(a)は需給管理モデルの精度・在庫水準・補充頻度など、後続の判断を規定する基盤であり、これを誤ると過剰在庫や運用負荷の増大につながります。次に、拠点配置・管理方式の適用(b)は、市場特性を踏まえ「どこに・何を・どれだけ」保有するかを数理的に定めるもので、日々のオペレーション品質を左右します。
そして補修部品特有の需要変動に対しては、予測が外れる可能性を前提に、原因把握・暫定対応・本質対応を可能にする業務プロセス(c)を設計するとともに、その運用を支えるダッシュボード等のデジタルツールを組み合わせることが重要です。これら3つの軸を一体的に設計・運用することで、高度で実行可能な需給管理業務を段階的に構築していきます。