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      KPMGコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:佐渡 誠、関 穣、田口 篤、以下、KPMGコンサルティング)は、製造業における先端テクノロジーの活用状況とビジネス価値を高めるための取組みについてまとめた「KPMGグローバルテクノロジーレポート2026:製造セクター」(日本語版)を発表しました。

      本レポートは「KPMGグローバルテクノロジーレポート2026」(※1)の調査結果を基に、製造業に関する内容を集計・分析したもので、製造業がテクノロジーによりビジネス価値を高め、事業成長を加速させるための実践的な示唆を紹介しています。調査回答者は、年間売上高10億米ドル超の組織に所属するCIO(最高情報責任者)、CDO(最高デジタル責任者)、CTO(最高技術責任者)、CISO(最高情報セキュリティ責任者)、CAIO(最高AI責任者)を対象としており、製造業における分析内容は22の国と地域における製造業のテクノロジーリーダー258人の見解に基づいています。

      <注目すべき調査結果>

      1.製造業では、AI・先端技術が競争優位の中核になりつつある
      製造業ではAI、クラウドインフラ、データ分析、エッジコンピューティング、デジタルツインなどへの投資が加速しており、回答者の87%が先端技術を競争優位の源泉と捉え、80%が投資価値の向上を実感している。

      2.AIの拡大展開が進み、概念実証(PoC)から実装・価値創出フェーズへ移行している
      68%が今後12ヵ月間でAIの拡大展開をする予定と回答。製造業のAI活用はPoCを越え、品質管理やダウンタイムの削減、設計・保全、バックオフィス効率化などにおける価値創出へと進展し、49%が事業価値を生むAIユースケースを展開している。

      3.製造業のAI活用を支える鍵は、データ基盤とデータオントロジー(※2)にある
      76%が信頼性の低いデータをAIの主要なリスクと捉えていると回答。AI活用の成否は、信頼性の高いデータ基盤とガバナンスに左右され、サイロ化したデータをつなぐデータオントロジーは、必要なデータへの迅速なアクセスと活用を支えている。

      4.AIの拡大には、ガバナンス・人材・サイバーセキュリティの強化が不可欠
      AIの全社活用には、部門横断のガバナンス、人材育成、サイバーセキュリティの強化が必要とされており、70%がIT関連部門主導で導入を進め、87%がIT・セキュリティ・リスク部門の連携を重視している。89%がAIエージェント活用スキルを重要視している。


      1.製造業では、AI・先端技術が競争優位の中核になりつつある

      製造業では、AI、クラウドインフラ、データ分析、エッジコンピューティング、デジタルツインなどの先端テクノロジーへの投資が加速しています。製造業の回答者の87%が先端テクノロジーは将来の競争優位性につながると捉え、80%がテクノロジーによる投資価値の向上を実感しています。さらに、製造業の回答者の76%がデジタルテクノロジーに5,000万米ドル超を投資しており、全セクター(※3)平均の72%を上回りました。49%は顕著な財務的成果または貢献も報告しており、テクノロジー投資は事業価値創出に直結しつつあります。

      2.AIはPoCから実装・価値創出フェーズへ移行している

      製造業におけるAI活用は、PoCから実装と価値創出の段階へ移行しつつあり、68%が今後12ヵ月間でAIの拡大展開をする予定と回答しました。製造業の回答者の49%が、ビジネス価値をもたらすAIユースケースを積極的に導入しており、全セクター平均の28%を大きく上回りました。

      【ビジネス価値をもたらすAIユースケースを積極的に導入している割合】
      Japanese alt text: 「KPMGグローバルテクノロジーレポート2026:製造セクター」(日本語版)を発表_図表1

      今後2年間の生産およびR&D技術に関するAIの導入領域については、予測型品質管理のためのAI・機械学習が52%で最多となり、ダウンタイム削減のための高度データ分析が40%、製品設計・カスタマイズのための生成AIが38%と続きました。

      【生産およびR&D技術に関するデジタルアップグレード計画(今後24ヵ月間)】
      Japanese alt text: 「KPMGグローバルテクノロジーレポート2026:製造セクター」(日本語版)を発表_図表2

      3.製造業のAI活用を支える鍵は、データ基盤とデータオントロジーにある

      AIや高度なテクノロジーの本格活用には、信頼性の高いデータ、全社で使えるデータ基盤、データガバナンスが必要とされます。製造業の83%が強固なAIデータ基盤を構築している一方、76%が信頼性の低いデータを主要リスクに挙げています。こうした調査結果から、サイロ化したデータやレガシーシステム間の関係性を可視化する「データオントロジー」の重要性が示されています。これはAIを活用してデータ環境のネットワーク図やナレッジグラフを作成し、必要なデータへの迅速なアクセスと活用を支える考え方です。

      また、地政学的リスクなどでマクロ環境が不安定で予測困難になるなか、サプライチェーンのレジリエンスと柔軟性に注意を払い続ける必要があり、48%がマクロ環境への対応策としてデータフローの改善を挙げています。

      4.AIの拡大には、ガバナンス・人材・サイバーセキュリティの強化が不可欠

      AIを全社で展開するには、IT部門に加え、業務、リスク、セキュリティ、人材部門を含む横断的な体制の構築が求められています。製造業の70%がIT主導の集中型アプローチを採用し、87%がIT・セキュリティ・リスク部門の連携を重視しており、サイバーセキュリティは製造業にとって最優先課題のひとつと言えます。AIは脅威の検知や予測を高度化する一方、攻撃者にとっても新たな手段となるため、サイバーリスクをビジネスリスクとして捉える必要があります。

      また、AI活用の高度化には人材面の変革も求められ、89%がAIエージェントの活用は今後5年以内に重要なスキルになると回答しています。ガバナンス、人材育成、サイバーセキュリティを一体で整備する体制が必要とされています。


      (※1)「KPMGグローバルテクノロジーレポート2026」(日本語版)はこちら
      (※2)データや知識を体系的に整理し、実体・属性・関係性を明確に定義する構造化された枠組み
      (※3)「KPMGグローバルテクノロジーレポート2026」における8つの調査対象業界(金融、テクノロジー・通信、消費財・小売、製造、ヘルスケア・ライフサイエンス、エネルギー、自動車、政府機関)

      <企業に求められる7つの対応>

      1.データ基盤に注力する
      OT/ITデバイスのデータを標準化・統合し、ガバナンスを整備することで、AIユースケース、業務効率、コンプライアンスを支える基盤を構築する。

      2.人とAIの協働を前提に設計する
      人材のスキルアップを進め、オペレーター、エンジニア、AIシステムが効果的に協働できるよう役割や運用モデルを再設計する。

      3.AIを高価値で実証済みのユースケースに適用する
      予知保全、品質検査、プロセス最適化など、設備総合効率(OEE)、利回り、コストに直結する領域に注力し、早期の成果創出につなげる。

      4.パイロット版ではなくプラットフォームでAIを拡大展開させる
      単独のパイロットから、工場、製品、部門を横断して展開できる共有プラットフォームへ移行し、拡張性のある活用を進める。

      5.セキュリティを中核に据える
      AIなどの新興テクノロジーがもたらすリスクを踏まえ、信頼性、倫理、セキュリティを開発初期から組み込み、稼働前の検証と人による評価を徹底する。

      6.戦略的なエコシステムパートナーシップを推進する
      目的を持ってパートナーを選定し、取引中心の関係から、相互運用性や柔軟性を高め、イノベーションを加速する戦略的な共創関係へ移行する。

      7.人材をスキルアップする
      従業員が自信を持ってAIを活用できるよう、研修やアップスキリングを通じて実践的な能力向上を支援する。


      本レポートの全文はこちらからダウンロードできます:

      KPMGコンサルティングについて

      KPMGコンサルティングは、戦略・イノベーション、ビジネス変革、テクノロジーコンサルティング、エンタープライズソリューション、リスクコンサルティングなどの領域において、企業や組織の変革を支援する総合コンサルティングファームです。豊富な経験とスキルを有するプロフェッショナルがKPMGジャパンの各ファームと連携しながらKPMGのグローバルネットワークを活用し、企業価値向上の実現に向けて伴走支援します。