今回の調査結果は、ESGにおける環境、社会、ガバナンスに対して企業がどのように対処しているかを明らかにしています。ESGの信頼と評判への影響が高まる一方で、抱える課題の政治色が強まっていることがCEOの重圧となっています。
10年前、CEOは環境リスクを最優先に考えていませんでしたが、今はESGの期待に応えられないことによる負の側面として、およそ4分の1(24%、日本:32%)のCEOが競合他社を優位に立たせてしまうと考えています。他には、自身の任期への脅威となること(21%、日本:23%)や、人材確保が困難となること(16%、日本:13%)も挙げています。
CEOが積極的に行動を起こす姿勢も示しており、CEOの4分の3(76%、日本:82%)は、収益性が高くとも企業の評判を損ねるビジネスは売却してもよいと答えています。また、68%(日本:91%)は取締役会が懸念したとしても、政治的または社会的な論争の的となるESGの問題には意見を表明すると回答しています。
66%(日本:74%)のCEOは、ESGに関して今後予想されるステークホルダーや株主からの厳しい評価と高い期待への準備ができていないと考えており、それらを軽減するために何らかの対策を講じることを示唆しています。興味深い結果として世代間の違いがあり、若い世代のリーダー(40歳から49歳)の43%(日本:N/A)がESGの施策への外部からの監視に耐える自信を示しているのに対し、50歳から59歳のCEOは33%(日本:N/A)、60歳から69歳は30%(日本:N/A)という結果となっています。
また、社会的流動性や気候変動などの問題が政治色を帯び、二極化してきていることが、CEOの新たな課題となっています。その結果、一部のCEOはESGの取組みを伝える方法を工夫し、69%(日本:77%)のCEOは気候関連の戦略は維持する一方で、ステークホルダーのニーズに合わせて、社内外で使用する言語や用語を変えたと回答しました。一例として、政治的、社会的な観点から包括的な「ESG」という用語よりも「サステナビリティ」などの一般的な用語を使用しています。