時限性のあるなかで、多くの金融機関において最も対応負荷が高いと言われている対応事項が、継続的顧客管理( 定期的な顧客情報の更新。定期レビュー)です。本人確認等、身元やAML ・ CFTに関して必要となる顧客情報の確認であることから、従来は口座開設時等の取引開始時(入口) を中心に対応が求められていました。一方で、顧客属性や取引状況の変化に伴い、顧客のリスクは当然に変わりうることから、開始時に限らず、継続的に更新等を行うことが重要となります。この点が、金融庁ガイドラインでは明確にされています。
当該顧客情報の更新に関して、要請文においては、期限までにどこまでの対応が求められるのかは明確ではありませんが、金融庁の「マネー・ローンダリング・テロ資金供与・拡散金融対策の現状と課題(2022年3月)1」に関連する整理がみられます。「取組に遅れが認められる事例」として、「継続的顧客管理の実施計画上、取組開始時期が後ろ倒しとなっており、2024年 3月末までに完了する計画となっていない」事例が挙げられています。これを踏まえると、すべての対象顧客に対する顧客情報の更新は、要請文の期限までに「完了(一巡)」している必要がありそうです。これは、計画の立案にとどまる状態や実施途上である状態は、許容されないということだと思われます。
この点への対応も、リスクベースアプローチが重要となります。金融庁ガイドラインに関するFAQ「マネロン・テロ資金供与対策ガイドラインに関するよくあるご質問(FAQ)2」では、顧客情報の更新を留保( 定期レビューの対象外)しうる、リスクの限られる顧客類型等が整理されています。そのため、定期レビューの対象外となる顧客をしっかりと設定しつつ、一方でリスクの高い顧客をしっかりとケアすることで、メリハリのある効率的な対応とし、期限内の完遂を目指すことがポイントとなります。