サプライチェーン全体を通じた脱炭素への取組みが気候変動を巡る企業の重要なテーマの1つとなっています。
サステナビリティ開示基準(サステナビリティ基準委員会)ではGHGの Scope3排出量の開示が求められ、SBTではGHG Scope1・2に加えScope3を含めた削減目標の設定が必須となっています。

 そうした世の中の動きに連動し、環境省はバリューチェーン全体の脱炭素化に向けたエンゲージメントや、1次データを活用した排出量算定に関するガイドラインを発行し、企業の測定・削減に向けた取組みを促進しています。

 今後は、国や多くの企業が排出量削減の中間目標を設定している2030年に向けて、より具体的なアクションが求められることになります。また、GHG Scope3(特に多くの企業で排出規模の大きいカテゴリ1)への取組みによって、上流のバリューチェーンおよび自社の低炭素化を進めることは、単なるGHG排出量の管理にとどまらず、得意先から「選ばれる企業」となることにもつながります。

KPMGのサプライチェーン排出量削減支援

■プロジェクト全体像

Scope3排出量を削減するためには、サプライヤーエンゲージメントの実行によりサプライヤーの排出量削減を促進するとともに、サプライヤー固有の排出量データ、すなわち1次データを取得し、Scope3排出量算定に使用して、サプライヤーの排出量削減の効果を直接自社の排出量に反映させることが必要です。

サプライチェーンGHG排出量 算出・削減支援 図表01

お問合せ

KPMGは、企業のバリューチェーン全体を見据えたScope3削減の仕組みづくりを、計画策定から実行支援まで一貫してサポートします。

サプライチェーンGHG排出量 算出・削減支援 図表02

エンゲージメント方針策定

上記のプロジェクト全体像のうち、導入部分に当たる「①エンゲージメント方針策定」では、現状のScope3排出量の分析を実施し、優先的なエンゲージメント対象となるサプライヤーを選定。そのサプライヤーに対してどのようなエンゲージメント手法を用いるか、1次データを使用した算定への切り替えをどのように進めるか、それらの方策をどのような時間軸で実行に移すかを検討します。企業によるScope3削減に向けたロードマップ策定を支援します。

サプライチェーンGHG排出量 算出・削減支援 図表-03

まずは、企業のScope3排出量に関する現状分析から着手します。もし、Scope3排出量の算定をこれから行う場合、もしくは一部のカテゴリに算定範囲がとどまっている、連結グループ全体での算定ができていないなどの算定上の課題がある場合には、算定段階から支援します。

次に、各サプライヤーの調査を実施し、脱炭素への取組みや業種によりいくつかのカテゴリーに分類し、優先順位付けを行います。カテゴリー分類を行うことで、次の手法検討フェーズにおいて、効果的かつ効率的な検討が可能となります。

その後、カテゴリー別または個々のサプライヤーに対して有効と考えられるエンゲージメントの手法を検討します。KPMGは、業種別の気候変動対応や排出量特性に関するナレッジを活用し、さまざまなエンゲージメント手段をご提案します。

さらに、サプライヤーの排出量削減を自社のScope3排出量に反映させるため、1次データを用いた算定への段階的な切り替えを計画することも重要です。KPMGは、サプライヤーへの1次データ提供要請や算定方法の確立を支援します。ただし、1次データの取得には時間を要する場合が多いため、プロジェクトの推進力を維持するために、1次データ化以外の効果測定方法の検討も併せて支援します。

最後に、これまで検討してきたサプライヤーエンゲージメント手法や1次データ活用への移行について、企業が配分可能なリソースも踏まえて時間的な優先順位を検討し、ロードマップの策定までを支援します。

関連サービス

関連リンク