近年、企業の海外子会社に対するガバナンス強化が課題となっています。
KPMGでは、「本社・統括会社機能整理」を通じて、地域統括会社(Regional Headquarters:RHQ)の機能の見直し、および組織体制の整備を支援します。

地域統括のための機能はさまざまではありますが、特に近年、グローバルガバナンスのための橋頭堡としての役割強化を図る動きが多くの日本企業において見られます。

海外子会社マネジメントブック作成支援_図表1

管理機能別のガバナンスモデル、業務プロセスの整備の必要性

多くの企業の地域統括会社(特にガバナンス面において)は、「作って終わり」という段階にとどまり、本来果たすべき機能・役割が形骸化しているケースも多々見受けられます。地域統括会社の実行力と実効性を確保するためには以下のアプローチが必要だと考えられます。
カテゴリ アプローチ(例)
権限・責任
  • 本社管理部門の役割・責任明確化とあわせた検討
  • 本社側責任者としてのグループCxOの位置付けの明確化
  • 管理部門としてグループ会社管理部門の人事権や予算権の一定の確保
  • 事業・子会社側のリスク・ガバナンス上の責任の再確認
  • 機能/テーマに応じた本社・地域統括会社によるグリップの強度調整
  • 関係会社管理規程、規程管理規程、職務分掌等の改訂、明確化
人材
  • 実質的にリーダーシップを発揮できるクラス(執行役員以上)の人材の地域統括会社への配置
  • 管理を主体的に担う現地人材の確保・育成プラン
  • 既存人材の再配置と活用の検討
サービス・機能
  • 地域統括会社としての実績を積むことで周囲の理解を促進
  • 現地子会社ニーズに即したサービス機能設計、すなわち「人を配置して終わり」ではなく、中長期的な仕組み・プロセス作りの計画策定
コスト
  • 子会社コスト負担の緩和策
  • 個社別予算の制約を受けない仕組み(管理会計的な工夫など)
  • プロジェクトの効果範囲の明確化(例:シェアード化によるコスト削減を範囲外にする)
コミュニケーション
  • 地域統括会社の必要性と役割について、時間をかけた丁寧な社内コミュニケーション
  • 地域統括会社の役割と必要性について、経営陣による明言とアピール

これらのアプローチを実現するためには、地域統括会社単独での施策展開では難しく、本社コーポレート部門が主導となり、グループ本社の中・長期的な戦略に基づき、グループとしてのガバナンスの在り方とあわせて検討することが必要です。

KPMGの支援

(1)本社-地域統括会社-子会社の機能配置とレポートライン設計

現状の分析結果を踏まえ、各管理機能ごとに、「本社-地域統括会社-各子会社」のガバナンスオペレーションモデルについて、関係部署との調整、管理機能や地域固有の論点を整理のうえで具体化します。

【管理機能別の機能配置/オペレーションモデルによる具体化例】

  • 本社各部門との協議・調整・具体化
  • 報告ライン、報告・承認基準、地域統括会社とのエスカレーションの考え方の整理
  • 各地域・統括会社の個別要因、課題等の検討
  • 整備・更新が必要な規程、ツール等の整理
  • 導入に向けたアクションの整理、推進体制、計画の策定

(2)地域統括機能の設定に向けた検討アプローチ

すべての地域統括会社に同一の設計図をあてはめるのではなく、管轄地域の内部環境・外部環境を踏まえた個別の設計図を用意することが必要となります。

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