コーポレートガバナンス・コード(CGコード)への対応が一巡し、経営の透明性・公正性の向上の進展がみられる中で、今後はより実質的な観点から取締役会を中心とするコーポレートガバナンス体制を評価し、企業価値向上の本質的な改革に向けた課題導出と具体的なアクションプランの策定が求められる段階にきています。

KPMGは、グローバルファームとしてのネットワークによる海外の先進事例や豊富な支援実績により蓄積したアセットを最大活用して、各社の中長期的な課題を踏まえたオーダーメイドの評価サービスを提供することで、本質的な改革への足掛かりの構築を支援します。

取締役会の実効性評価支援

近年、多くの企業で取締役会の実効性評価の取組みが定着しつつあります。しかし、取組みを繰り返す過程で、毎年代わり映えのしない評価結果となってしまう、形式的観点からの課題導出となってしまう等の悩みも散見されます。真の意味での取締役会の実効性向上、ひいてはコーポレートガバナンスの向上につなげるとの観点から、取締役会実効性評価の取組みの在り方・アプローチを再検討すべき段階にきていると思われます。
取締役会の実効性評価の目的は、取締役会全体が適切に機能しているかを定期的に検証し、その結果を踏まえ、問題点の改善や強みの深化等の適切な措置を講じていくという継続的なプロセスにより、取締役会全体の機能向上を図ることにあります。したがって、短期的な視点による足元の課題抽出のみならず、中長期的な自社の目指す姿を念頭に入れてPDCAを回し、着実に進化できるような取組みにするべきです。

各社の目指すコーポレートガバナンスは、環境変化や株主等のステークホルダーの期待事項、目指す企業価値等によって異なります。したがって、単純な他社比較や一律の基準に基づく絶対評価では各社の実態にフィットする評価とならず、ガバナンス向上への効果は限定的です。
KPMGは、一律基準の絶対評価ではなく、各社の外部環境変化等から導きだされる目指すべきコーポレートガバナンスを起点として現状とのギャップや課題を評価するアプローチや、環境変化を予測した動態的なアプローチにより、中長期的視点も加味して各社の目指すコーポレートガバナンスの実現に向けた着実な改善につながる取組みを支援します。なお、取締役会以外の法定委員会や任意の諮問委員会を含めた包括的な評価サービスや、各取締役の評価(ピアレビュー)サービスの提供も可能です。

コーポレートガバナンス実効性評価支援 図表1

取締役会実効性評価のアプローチ

1. 評価アプローチ設計 2. 評価準備・実施 3. 評価結果報告

・評価項目案の整理

・企業価値向上を意識した評価テーマの検討

・アンケート/インタビューによる評価実施

・報告書作成

・主要課題と改善方向性の整理

・開示案の提供

評価内に自社の「目指す姿」を明示し、目線合わせを図る 現状とのギャップ把握・課題抽出、改善策等の深掘り

課題・改善方向性のまとめ

取締役会での報告・認識共有

監査役会/監査(等)委員会の実効性評価支援

監査役会や監査(等)委員会は、中長期的視点でもリスクを注視しなければならないガバナンスの一角を担う重要な機関です。そのため、実効性を維持するべく、定期的に責務の遂行状況を評価し、改善し、モニタリングするサイクルが重要です。

英米では、取締役会全体だけでなく、監査委員会を含む各委員会の実効性評価が要請されています。日本の監査制度は独特であるため、海外投資家の理解を得る意味においても、実効性評価を行うケースが増えるものと予想されます。しかし、取締役会の実効性評価と異なり、監査役会等の実効性評価を行う企業は現段階では少なく、評価のあり方や具体的な評価アプローチについて試行錯誤されている企業も少なくないと考えられます。

KPMGは、グローバルネットワークにおける多数の先進事例を取り入れながら、各社のコーポレートガバナンスの目指す姿を踏まえた監査役会や監査(等)委員会のあるべき姿を明確化した上で、現状とのギャップや課題を評価するアプローチにより、具体的な改善アクションへつなげられるよう支援します。

監査役会評価に第三者の視点を加える意義

コーポレートガバナンス実効性評価支援 図表2

監査役会の高度化における「評価・改善」プロセスの重要性

コーポレートガバナンス実効性評価支援 図表3

コーポレートガバナンス・コードへの対応支援

2021年、コーポレートガバナンス・コードは2度目の改訂が行われました。取締役会の機能強化だけではなく、ダイバーシティの確保、サステナビリティ課題への取組み等広いテーマにも重点が置かれ、今後もさまざまな経営課題にも言及されることが想定されます。コーポレートガバナンス・コードの基本原則・原則・補充原則それぞれを実現するため、経済産業省や金融庁から関連する各種ガイドラインが策定されており、「コンプライ・オア・エクスプレイン」にはそれらの理解も不可欠です。

ただし、コーポレートガバナンス・コードの趣旨を自社のあるべき姿に落とし込まないままに、形式的な対応状況の確認やコーポレートガバナンス報告書の作成を行うだけでは、リアクティブな義務的対応で終始してしまいます。さらに、自社の状況を踏まえてエクスプレインすることが合理的であったり、積極的にエクスプレインすべき事情があるにもかかわらず、コーポレートガバナンス・コードへの準拠を重視して、無理やりコンプライすることは本末転倒であり、かえって自社のガバナンスを歪めることになりかねません。

KPMGは、コーポレートガバナンス・コードが本来目的とする会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資する観点から、各社の目指したい姿や実態を踏まえたコーポレートガバナンス・コード対応支援を提供します。

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