2015年にコーポレートガバナンス・コードが制定されて以来、2度の改訂を経て、日本におけるコーポレートガバナンス強化の議論は一気に加速しました。これにより、多くの企業は、試行錯誤しながらも自社のあるべき姿や企業文化に適合したコーポレートガバナンスを定義し、機関設計の選択や取締役会の役割・機能の変革、独立社外取締役の増員など、コーポレートガバナンスの実効性を高めるための体制を強化してきました。

コーポレートガバナンス改革の一義的な目的は、企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上の実現であり、企業価値向上を果たすためには、企業が将来生み出すキャッシュフローの最大化と事業リスクの最小化が必要となることは言うまでもありません。しかし、コーポレートガバナンス・コードの制定以降、取締役会を中心とする外形的なコーポレートガバナンス体制の整備は飛躍的に進み経営の透明性・公正性の向上に大きく寄与しましたが、企業価値向上に寄与する本質的な改革まで至っているとは言えません。

KPMGは、企業にとって真の企業価値向上に寄与するコーポレートガバナンス改革を実現するため、これまでの取締役会を中心とする監督機能の強化を軸に、以下2つの方向性での改革の拡張が重要であると考えています。

コーポレートガバナンス改革支援_図表1

拡張の方向性(1):戦略実行力
企業価値創出の場は、取締役会の議場ではなく、マーケットであり、顧客価値の最大化にあります。つまり、真のコーポレートガバナンス改革は、取締役会を中心としたガバナンス機能・体制強化と連動し、顧客価値創出の主役である執行におけるガバナンス体制を整備し、経営戦略・事業戦略の実行力を高めることが不可欠です。

拡張の方向性(2):経営変革力
経営を取り巻く環境の不確実性がますます高まるなか、企業は、自社の中長期的成長に重大な影響を及ぼす可能性のある経営課題に真摯に向き合うことが重要です。一連のコーポレートガバナンス改革を通じ、取締役会における審議・報告事項を見直した企業は少なくありませんが、それでなお、CEOや経営陣幹部が企業変革のために重要と考えている経営アジェンダと、取締役会・経営会議に付議されるアジェンダにギャップが生じているケースが散見されます。コーポレートガバナンス改革を真に企業価値の向上に結び付けるためには、自社の最重要経営課題を見極め、高度なガバナンス体制のもと、取締役会と執行が一体となり企業変革をリードすることが不可欠です。

KPMGは、コーポレートガバナンスに関する議論を外形的な体制整備で終始させることなく、企業が持続的に成長し、中長期的に企業価値を向上させるため、包括的かつ実効性のあるコーポレートガバナンス改革支援を提供します。

サービス一覧

取締役会を中心とする監督機能強化支援

取締役会を中心とする監督機能の強化のためには、企業ごとのパーパス、中長期的な戦略、経営の時間軸、事業構造の複雑性、内外環境のリスク、ステークホルダーの期待などを考慮して取締役会等のコーポレートガバナンス実効性評価を実施し、導出された課題を踏まえて、機関設計の見直しや取締役会の役割・機能の変革といった経営基盤の強化に向けた具体的なアクションにつなげることが重要です。

KPMGは、コーポレートガバナンス実効性評価から取締役会監査役会/監査(等)委員会の機能高度化まで、一気通貫の支援を通じて、取締役会を中心とする監督機能の強化を支援します。

コーポレートガバナンス改革支援_図表2

業務執行におけるガバナンス体制の強化支援

取締役会の監督機能のもと、企業価値向上を実現するための戦略を実行する主役は執行であり、執行体制を強化してグループの経営力を高めることが、戦略の実行力・推進力の向上には欠かせません。

KPMGは、執行体制の中心となるトップマネジメント体制の強化をはじめとした業務執行体制の整備・本社機能の強化支援、プロセスにかかわるグループガバナンスの高度化支援を通じて、取締役会で決定された戦略の実行力・推進力の強化を支援します。

コーポレートガバナンス改革支援_図表3

持続的成長を実現する真の経営課題へのアプローチ支援

コーポレートガバナンス体制を外形的に整えただけでは、企業価値向上は実現しません。真の企業価値向上のためには、取締役会による強力な監督のもと、執行が自社の企業価値向上に寄与する本質的な経営課題に集中的に取り組み、適時適切なモニタリングを受けながら着実に進捗していくことが必要です。

KPMGは、取締役会を起点とした経営改革プロセスの構築・改善の支援を通じて、企業価値向上を実現する真の経営改革への挑戦を支援します。

コーポレートガバナンス改革支援_図表4

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