企業を取り巻くビジネス環境はこれまでにも増して複雑化し、不確実性がますます高まっています。このような変化へ適切に対応するため、人材・組織マネジメントにおいても属人的な経験や勘に頼るのではなく、客観的なデータの活用による意思決定が必要です。
KPMGは、自然言語処理を用いた分析ツール「Kc-HERO」や複数の分析手法を駆使し、企業における人事業務の高度化を支援します。
人事部門で取り扱うデータの特徴
データには構造化データと非構造化データの2種類が存在し、人事部門で取り扱うデータは、履歴書や会社紹介、面談記録などの非構造化データが大多数を占めます。非構造化データは、構造化データに比べ情報量が多く直接的な情報でもあるため、非構造化データの分析はデータに基づく意思決定の可能性を広げます。しかし、非構造化データはそのままでの処理や分析が難しく、効果的に活用するためには工夫が必要です。
構造化データ | 非構造化データ | |
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特徴 |
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具体例 |
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自然言語処理に着目したデータ分析
非構造化データは、構造化データに比べ情報量が多いという特徴がありますが、データの性質上そのままの状態での活用が難しいとされています。
KPMGは自然言語処理を用いた分析ツール「Kc-HERO」を利用するため、企業のなかに存在する自然文などの非構造化データを加工せずに活用することが可能です。非構造化データから特徴を抽出・活用することで、インサイトの導出および人事施策の立案・実行を支援します。
Kc-HEROを活用した独自アプローチ
Kc-HEROは、テキスト情報を自動的に指定のカテゴリに分類する「ゼロショット分類」や、テキストをベクトルに変換し類似度スコアを計算する「EASEモデル」などの高度なアルゴリズムを利用しています。これらの技術を使用することにより、非構造化データから特徴を抽出・マッチングし、さまざまな分析に活用することが可能です。
Kc-HEROの特徴
- 自然言語処理の活用
自然言語処理の活用により、企業のなかに自然文で存在している情報を加工することなく、そのまま分析することが可能です。
人の情報:履歴書、ES、レポート、社内SNS 等
組織の情報:事業計画、所属メンバーの日報 等
- 全量データ分析
企業が所有している大量の組織情報および兼務情報を瞬時に分析することが可能です。人手では一部の表層的な情報のみしか確認できませんでしたが、全量データを踏まえて分析できるため、人手のみでの分析では把握することが難しかった人と組織の相関や思いがけないマッチングが期待できます。
Kc-HEROの活用例~リスキリング効果測定~
Kc-HEROを活用することで、リスキリングの効果測定を行うことが可能です。リスキリングの実施前に、社員のスキルを標準化したうえで数値化し、現状の見える化を行います。その後、リスキリングプログラムを実施しスキルの数値化を行うことで、プログラムの効果を測定することができます。測定結果を利用し、研修内容や対象者の見直しなど、リスキリングプログラムの改善につなげます。
KPMGは、見える化、リスキリングプログラム、評価・分析まで、ワンストップで支援します。
【評価・分析イメージ】
人事データ活用に向けたアプローチ
人事データは、データの種類や格納形式がさまざまであるため、単にデータを集約し分析するだけでは効果的な結果を得られないことがあります。
そのためKPMGでは、データの利活用に向けて、まずは各業務領域で活用場面を具体化した目指す姿(構想)の検討からスタートします。そして構想に基づき、データを収集し、さまざまなデータを分析することで、分析結果に基づく施策の立案と実行のサイクルを確立していきます。
【人事データ活用までの流れ】
(1)構想策定 |
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(2)データ収集 |
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(3)データ分析 |
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(4)施策立案・実行 |
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KPMGのネットワークによる顧客提供価値の強化
人事データ分析等を含む、人事コンサルティング専門チームを有するKPMGコンサルティングは高度なAIデータアナリティクス専門チームを有するKPMGアドバイザリーライトハウスと連携し、企業の人材価値強化に向けた人事領域における高度なインサイトの導出を可能とするソリューション開発やノウハウの蓄積を実施しています。