日本では、抜本的なデジタル改革が推進され、業務効率化に基づいたコスト削減、つまり内向きのDXは成功している一方で、自社としての優良顧客像の定義やリーチができず、トップライン増大に向けたデジタルマーケティング戦略策定をはじめとした、外向きのDXには挑みきれていない企業が数多く散見されます。
KPMGは、次の一手として企業が取り組むべき外向きのDX推進「FODX(Front Office Digital Transformation)」方法論を提唱し、次世代型のデジタルマーケティング戦略の策定から実行までを幅広く支援します。
日本社会の動向と喫緊の経営アジェンダ
規模を追えば利益もついてくる時代は終焉を迎え、デジタルを活用した「顔の見える」マーケティング・営業活動が求められています。一方で、社会課題に対する責任に応えるため、個人情報保護を考慮したデジタルマーケティングの見直しにも迫られています。
喫緊の経営課題に打ち克つためのFODX
フロントオフィスが社会・ビジネスの動向に追随しきれていないことでバリューチェーンの各所に生じている問題の解決には、顧客の多様化とデジタルシフトを前提としたマーケティング活動の抜本的な見直しが必要です。「Front Office DX」は、すべての問題の起点となっているフロントオフィス業務をデジタル活用により変革します。
FODXのポイントと解決策の方向性
FODXを成功に導くためには、デジタルチャネルの拡充やツール導入が目的化することがないよう、顧客体験(CX)を継続的に改善し続けるメカニズムの構築を前提とした変革の道のりを描くことが重要となります。とりわけ、次世代型のデジタルマーケティング推進には以下A~Cのソリューションの適用が効果的です。
A. マーケティングオペレーションの標準モデルの定義
新しいシステムやデータに振り回されず、戦略に基づく施策の実行から効果検証まで、高速かつ正確なサイクルを実現するために、継続性のあるプロセスと、それを支える組織機能、人材要件を定義することが肝要です。
B. CDPによる自社顧客情報の統合管理
誰が・いつ・どのような顧客情報を使うべきかを整理し、自社内に散在している顧客情報をCDPに統合することが、顧客層・顧客像を正確に把握し、確実にリーチするための第一歩です。
C. データクリーンルームの活用
個人情報保護に配慮したセカンドパーティの顧客データを活用するデータクリーンルームを用いた分析手法を導入し、間もなく到来するCookieレスの時代に備える必要があります。
FODX推進のステップ
顧客の消費行動や期待値、また企業が提供する商品・サービスが多様化していることに加え、同業他社の競争が激化している昨今では、顧客を起点とした営業・マーケティングアプローチが求められています。その手段として、「点」ではなく、「線」を意識した顧客情報の活用を図ることが重要です。
FODX実現に向けたステップ別のコンサルティングサービスメニュー(概要)
- FODX推進のPgMO(プログラムマネジメントオフィス)/チェンジマネジメント支援
- 次世代マーケティング戦略立案支援
・現状調査
・優良顧客の定義
・カスタマージャーニー設計
・KGI・KPI設定
・目指すべきオペレーションの概要策定 - マーケティングオペレーティングモデル定義支援
・業務プロセス
・組織・ガバナンス
・テクノロジー
・評価・モニタリング
・組織風土・文化
・人材・スキル - CDP導入支援
・現状調査
・要件定義
・環境構築
・BIツール整備
・データ構造設計 - データクリーンルーム導入支援
・サービス選定
・PoC実行
・分析プロセス設計
・運用支援 - MA導入/活用支援
・ツール選定
・PoC実行
・データ設計
・初期設定
・運用支援 - マーケティング人材育成・ケイパビリティ高度化支援