ブラジル:OECDガイドラインに適合した移転価格税制が大統領により署名

ブラジル大統領は2023年6月14日、暫定令1,152号/2023を採択する法律14,596号に署名しました。この法律は、ブラジルの移転価格制度を大幅に変更するものです。

この法律は、ブラジルの移転価格制度を大幅に変更するものであり、OECDガイドラインに適合した独立企業間原則へ移行するものです。

この法律は、ブラジルの移転価格制度を大幅に変更するものであり、ブラジルの歴史的な算定式ベースの移転価格制度から、OECDガイドラインに適合した独立企業間原則へ移行するものです。 これにより、2024年期より強制適用(2023年期より任意適用可能)されることとなります。

この度、KPMGブラジルでは、今後の展望を含めた法律14,596号に関するニューズレター(英語)を発行しました。

(英語原文)
Brazil: OECD-aligned transfer pricing rules signed by president

今回のブラジルの移転価格制度では、独立企業間原則を導入のほか、新たな移転価格の算定方法と文書化要件の設定、さらに無形資産、金融取引および事業再編の取り扱い等に大きな変更をもたらしています。したがって、ビジネス上どのような影響が生じる可能性があるのかを早期に検討するのはとても重要な点となります。

なお、以下は日本語訳です。


ブラジル大統領は2023年6月14日、暫定令1,152号/2023を採択する法律14,596号に署名しました。

この法律は、ブラジルの移転価格制度を大幅に変更するものであり、ブラジルの歴史的な算定式ベースの移転価格制度から、OECDガイドラインに適合した独立企業間原則へ移行するものです。

法改正のタイムライン

  • ブラジル大統領は2023年6月14日、暫定令1,152号/2023を採択する法律14,596号に署名。
    新法は、ブラジルの移転価格制度に独立企業間原則を導入するほか、新たな移転価格算定方法と文書化要件を定め、無形資産、金融取引、事業再編の取り扱いに大幅な変更を加えています。最終法案には、暫定令1,152号の原文から以下の変更点(下院で可決されたバージョンに含まれていたもの)が含まれています。
    • 低税率国や特別な税制(ブラジルの法律での定義上)において活動する関連当事者に支払われるロイヤルティは、独立企業間原則に則っている限り、損金算入が可能。
    • 移転価格が独立企業間原則を満たしていないと見なされたケースにおいて、税務当局によって二次調整が行われることは認められない。
    • コモディティに対しては、取引の内容と状況、バリューチェーンにおける他のグループ会社と比較した機能、リスク、資産等により、他の算定方法がより適切であると判断されない限り、独立価格比準法(CUP法)が最適な方法として見なされる。

次のステップ

RFBは、パブリックコンサルテーションを経て、まもなくガイダンス(詳細規定)を発表する予定です。この新しいガイダンスは法律の内容を変更するものではありませんが、その重要性は過小評価されるべきではありません。

RFBはすでに、新規則の早期適用(2023年分)を検討しているものに対してガイダンスを発表している。新規則の早期適用に関しては、各納税者が決定に先立ち、よく検討し、モデル化すべき選択(オプション)である。

最後に、企業は、新ルールが利益配分(法人税)だけでなく、その他の間接税や取引税(ブラジルの税制環境の特殊性を考慮)にも影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、潜在的なリスクや機会、新しい状況に適応する方法を特定するために、ブラジルに関わるビジネスモデルの再評価を直ちに始める必要があるでしょう。

なお、上記の日本文は皆様の便宜のため一般的な情報の提供を目的に作成しているものであり、正確性を期すためにも必ず葡語をご参照ください。また、何らかの行動を取られる場合は、ここにある情報のみを根拠とせず、必ずプロフェッショナル等の適切なアドバイスをもとにご判断ください。

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