IFRS第17号‐期中財務報告の選択
前期(前四半期)の会計上の見積りの取扱い方法の選択が財務業績に影響を及ぼします。
前期(前四半期)の会計上の見積りの取扱い方法の選択が財務業績に影響を及ぼします。
過去の会計上の見積りの処理方法の選択によって生じる財務実績への影響
ハイライト
- 期中財務報告の作成者が適用する会計方針の選択
- 過去の期中報告期間の会計上の見積りの取扱いを変更するか否か
- 会計方針の選択によって生じる財務実績の報告及び実務への影響
- 次のステップ
新しい保険会計基準(IFRS第17号「保険契約」)により、IAS第34号「期中財務報告」に基づいて期中財務報告を作成する企業は、会計方針を選択する必要があります。この選択(報告日ごとに過去の期中財務諸表で行った会計上の見積りの取扱いを変更するか否か)は、財務実績の報告に影響を及ぼします。
期中財務報告の作成者が適用する会計方針の選択
企業の会計方針の選択(すなわち、年度累計への洗替(YTD)法か、期間ごとの切放(PTP)法のいずれを適用するか)は、発行した保険契約及び保有している再保険契約のすべてのグループに一貫して適用されます。
過去の期中報告期間の会計上の見積りの取扱いを変更するか否か
YTD法の場合、企業は、報告日ごとに過去の期中財務諸表で行った見積りの取扱いを無視することになります。対照的に、PTP法の場合、各期中報告期間を個別の報告期間として扱い、過去の期中財務諸表で行った見積りの取扱いの変更はしません。
会計方針の選択によって生じる財務実績の報告への影響
IAS第34号では、年間実績の測定は、原則として企業の財務報告の頻度に影響されません。見積りの変更の影響は当期に反映され、過去の年度または期中報告期間の実績を再計算する必要はありません。ただし、企業がPTP法を選択した場合、契約上のサービス・マージン(CSM)は、期中報告の頻度の影響を受けます。このため、各企業が異なるアプローチを適用する場合、企業間のCSMの比較が困難になる可能性があります。
次のステップ
企業の会計方針の選択は、システム設計、プロセス及び統制に重大な影響を及ぼす可能性があります。ここで時間をかけて適切な会計方針の選択を慎重に分析することは、実務への影響を予測し、その潜在的な影響を利害関係者に伝達するのに役立ちます。
この会計方針の選択についての詳細な考察及び分析は、KPMGの刊行物「Interim reporting choices under IFRS 17 (PDF 780 KB)」をご覧ください。
IFRS第17号に基づく会計処理の変更についてのKPMGの考察は、KPMGのWEB記事「IFRS – Insurance 」をご覧ください。