金融庁、「記述情報の開示の好事例集2020」を追加・公表及び「政策保有株式:投資家が期待する好開示のポイント(例)」を更新
金融庁は2021年3月22日、「記述情報の開示の好事例集2020」(2020年11月公表、2021年2月更新)について、新たに、「監査の状況」、「役員の報酬等」等の開示の好事例を追加するとともに、2019年11月に公表した「政策保有株式:投資家が期待する好開示のポイント(例)」を更新しました。
金融庁は2021年3月22日、開示の好事例を追加するとともに、2019年11月に公表した「政策保有株式:投資家が期待する好開示のポイント(例)」を更新しました。
ポイント解説速報 -
「記述情報の開示の好事例集」は、ルールへの形式的な対応にとどまらない開示の充実に向けた企業の取組みを促し、開示の充実を図ることを目的として、有価証券報告書における開示例を中心に、投資家・アナリスト及び企業を構成員とする勉強会で好事例を検討して作成されており、今般も、そこで議論された開示例が取りまとめられ、追加されています。
「記述情報の開示の好事例集2020」では以下の点について、示されています。
- はじめに ~「記述情報の開示好事例集」の構成・使い方~
- 1. 「新型コロナウイルス感染症」に関する開示例
- 2. 「ESG」に関する開示例
- 3. 「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の開示例
- 4. 「事業等のリスク」の開示例
- 5. 「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)」の開示例
(1)「MD&Aに共通する事項」の開示例
(2)「キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容等」の開示例
(3)「重要な会計上の見積り」の開示例 - 6. 「監査の状況」の開示例
- 7. 「役員の報酬等」の開示例
上記5.(3)、6. 及び7. が今回追加された項目です。これらの項目は2019年3月19日公表、同年12月20日に更新された「記述情報の開示の好事例集」でも好事例が示されていましたが、「記述情報の開示の好事例集2020」において、2019年12月期から2020年3月期の有価証券報告書や統合報告書等任意の開示書類の好事例が示されています。なお、「重要な会計上の見積り」では、日本基準のほかに、米国基準・国際財務報告基準を適用している企業の有価証券報告書の開示も好事例として示されています。
政策保有株式の開示については、2019年11月に「政策保有株式:投資家が期待する好開示のポイント(例)」が公表されていますが、今般、投資家が期待する好開示のポイントに沿った事例が更新されています。
なお、「記述情報の開示の好事例集」は随時更新を行うことが示されています。
執筆者
有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部
マネジャー 古川 加織