上海がロックダウンに入り3カ月目に入ります。一部の企業はバブル方式で従業員の方が工場内で寝泊まりする形での操業を開始したり、一部のスーパーが営業を再開していますが、多くの市民は居住区からの外出ができない状況が続いています。急激な経済成長を続けてきた中国の経済の中心である上海でこのようなことが起きること自体が信じられないという方が多いと思いますが、振り返ると中国はまだ発展途上国であり、本来は大国であるが故に発展には時間が掛かることから考えると適正速度に調整されたと考えても良いのではないでしょうか。ただし、忘れてはならないのは歴史的にもパンデミックは社会変化の速度を加速すること、破壊の後に新しいものが生まれるということです。

グローバルな事業展開のVUCA(「Volatility: 変動性」「Uncertainty: 不確実性」「Complexity: 複雑性」「Ambiguity: 曖昧性」)が認識され、多くの企業は組織再編、デジタル化、グローバル・サプライチェーン等において、従来検討していた計画の実施を早めたり、新たな行動を起こすことになるでしょう。自動化やデジタル化は、人々を生産性の低い領域から解放するだけでなく、人間にしかできない領域への関与度を高めます。この変化に対応できる体制に遅れることなく移行していくことが、今後の事業の継続可能性と成長を支える強力な基盤となります。