新型コロナウイルスが企業と人々に与えた影響は、極めて大きなものです。多くの人が春節前から現在に至るまでの間に、国境を越えたモノと人往来量の多さを改めて認識し、中国への依存度の高さを身に染みて実感し、そして人の移動に制限をかけられることとによる不自由さを体感したと思います。また、各種媒体やチャネルを通じて情報は大量に提供される中で、対面で会わないにしても社内ネットワークや各種テクノロジーを活用した交流は継続・増加され、リモート勤務によりある程度の事業活動が維持されています。中国は、このような重大事象が発生するたびに、そこから学んだものを次の成長に活かしていくことを繰り返してきているので、今回も現状が沈静化した後には、国力と人々の意識と行動がさらに向上するのではないかと思います。経済活動は人の活動ですから、14億人の中国経済は、時間がたてば、それなりに大きな規模で戻ってくることは確かです。ただしウイルスだけでなく、人の行動も変化するでしょうから、その新型人間行動に合わせた事業展開を目指さなければならないかもしれません。

KPMG中国
GJP中国総代表
高部　一郎

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