QI(適格仲介人)制度について
QI 制度の導入
1997年10月、IRSは非居住者外国人・外国法人に対する源泉徴収と報告義務に関する最終規則を公表しました。
2001年1月1日に施行されたこの規則は、米国有価証券に投資する非居住者外国人・外国法人への米国源泉所得の支払いに伴う源泉徴収の手続きを大幅に改正するものでした。
QI制度成立の背景
米国では、非居住者外国人・外国法人に支払われる一定の米国源泉Passive Income(利子、配当金、不動産賃貸収入、ロイヤルティ等)は、通常、グロスの額に対して30%の源泉徴収が行われます。一方、日本と同様に米国も多数の国々との間で租税条約を締結しているため、一定の米国源泉定期定額所得に対する源泉徴収税率を軽減することが可能となっています。
この軽減を認めるに際して、旧源泉徴収税務の規則ではアドレスルールを設けていました。旧ルールでは、源泉徴収義務者は、米国源泉所得の受取人が軽減税率が適用される租税条約締結国の居住者ではないということを特別に知るものでなければ、受取人の外国住所地の国との租税条約に基づく軽減税率で源泉徴収を行うというものでした。このルールのおかげで、租税条約締結国に住所を持つ米国源泉所の得受取人が自動的に税率軽減の恩典を受けることができていました。
ところが、対米投資取引が激増するなか、非居住者確認制度の甘さを突き、米国(法)人が外国(法)人と偽ったり、外国(法)人が本当の居住地でない国の居住者であると偽る等の不正行 為が発覚し、租税条約に基づく減免システムが不正行為に対して脆弱であるという問題点が米国議会で指摘されるまでになりました。そこで、IRSは1982年頃に不正防止策の検討に着手しました。外国(法)人投資家にその住所地とする国の税務当局の居住者証明書を提出させる規則案や納税者番号を取得させるべきであるという内容の意見書も登場しましたが、関係業界の反発等により、実現には至りませんでした。
2001年1月1日施行QI制度
このような過程を経て、IRSは、ようやく新源泉徴収規則案の公表にこぎつけました。これが1997年10月には最終規則となり、2001年1月1日から施行されることになった規則です。重要な特徴は、米国源泉徴収制度の遵守を可能にするために、非居住者に関する本人確認・報告義務に関わる「QI制度」を設けたことです。この制度は、例えば日本の居住者であれば、米国源泉の配当金や利子に対して自動的に軽減税率を要求できるというそれまでのルールを大幅に変更し、日本の金融機関の顧客関係に影響を及ぼすさまざま課題を含むものでもありました。
QIとは、IRSとQI契約を締結した外国金融機関(あるいは米国金融機関の外国支店)を指します。QIとなる外国金融機関は、米国側の源泉徴収義務者に対して様式W-8IMYを提出することでQIであることを示し、源泉徴収義務者に対して顧客の身分を開示することなく、ポートフォリオ利子の非課税や租税条約の軽減税率の適用といった恩典が享受できる非居住者外国人・外国法人であるというステータスを包括的に証明することが可能となります。
また、QIは、IRSから要求がない限り、顧客情報を提供する必要はありません。米国側の源泉徴収義務者は、必要な情報を最終受益者あるいはQIのいずれかから取得します。
さらにQIは、源泉徴収と報告の第一義的責任を源泉徴収義務者から引き受けるかどうかについての選択をすることも出来ます。第一義的責任を引き受けない場合、QIは全ての顧客から書類を入手し、顧客の税務上のステータス(軽減税率の適用の可否等)について、源泉徴収義務者に対して包括的に保証します。
また、責任を明確にするため、QIがIRSと交わしたQI契約の遵守状況については、外部検証人による外部検証が義務付けられています。
外部検証とは、外部検証人がQIの保管する投資家の本人確認書類とおよび最新顧客管理データとの照合等を行って、非居住者外国人・外国法人のステータスを実地に臨んで実見したり、源泉徴収税率の正しい適用や報告を確認したりするものです。外部検証は、QI契約を締結した年の翌年(QIとして行動する2年目)と5年目を対象に行うことになっています。その報告レポートは、IRSからの外部検証ガイドラインに沿って、本人確認書類の種類と内容の確認、最新顧客管理データとの照合等を行う過程で算出された数的スコア形式になっています。また、必要に応じて、外部検証人が脚注をつけてコメントをすることになっています。この外部検証レポートの提出期限は対象年の翌年の6月末ですが、通常、延長申請を行うことにより6ヵ月の猶予が認められ、12月末までの提出となります。
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