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      主な調査結果

      テクノロジーが自動車業界の競争構造を塗り替える

      • 経営者の51%が、2035年までにソフトウェアとデジタル技術が自社の競争優位性を生み出す最大の要因になると予想
      • 49%の企業がSDV(Software Defined Vehicle)とOTA(Over-the-Air)機能について、すでに確立済みまたは組み込み済みと回答
      • 一方、AI・ソフトウェア施策のうち実証段階を超えて全社的な導入に至った割合は36%のみ
      • 92%の企業が、新たなAI・デジタル・ソフトウェア機能の全社展開に少なくとも1年を要すると回答
      • 経営者の半数が、デジタル機能・コネクテッド機能への信頼が今後3年間の企業の競争力を左右すると回答
      • 外部提携やエコシステムによる価値創出の割合は、現在は全体の30%だが、今後3年間で44%に上昇すると予想

      中国の存在感が高まる

      • 経営者の約半数(48%)が、2035年までに世界の自動車OEM上位10社のうち6社が中国企業になると予想
      • アジア太平洋地域の経営者の57%がAI・先端技術への大規模投資を進めていると回答しており、欧州(52%)、米州(48%)を上回る

      KPMGインターナショナル(チェアマン:ゲイリー・ウィングローブ)は、「第26回 KPMGグローバル自動車業界調査」を発表しました。

      世界の自動車業界の経営者775名を対象とした本調査では、ソフトウェアとデジタル技術が自動車業界の競争を左右する最大の要因になりつつある一方、業界の将来において中国が主導的な役割を果たすとの見方が、経営者の間で強まっていることが明らかになりました。

      こうした予測の背景には、自動車業界の競争環境を塗り替える複数の変革が同時進行していることがあります。テクノロジー、地政学、サステナビリティ、オペレーション上の圧力、顧客の期待、ビジネスモデルにおける変革が同時に、かつ同程度の強さで重なり合って起きる、複合的な変革の10年に、経営者が身構えている状況がうかがえます。

      複数の破壊的要因が重なり合うことで、変革は一定期間に限った取組みではなく、通常の事業運営に組み込まれつつあります。実際、経営者の52%が「継続的な変革はすでに業界の常態である」と回答しています。

      KPMGインターナショナル グローバル自動車セクターリーダーのアンドレアス・リースは次のように述べています。

      「自動車業界のリーダーは、テクノロジーから、地政学、変化する顧客ニーズ、ビジネスモデルに至るまで、複数の変動要因に同時に対応しています。これらの要因は相互に影響を及ぼし合い、限られた資本や経営層の関心をめぐり、互いに競合しています。テクノロジーをいち早く顧客価値へと転換するとともに、市場ごとの変化に対応できる柔軟性を維持する企業が、自動車業界の次の局面をけん引するうえで最も有利な立場に立つでしょう。」

      ソフトウェアがグローバル競争の主戦場に

      自動車業界の経営者の51%が、2035年までにソフトウェアとデジタル技術が自社の競争優位性を生み出す最大の要因になると予想しています。また、SDVおよびOTA機能について、すでに確立済みまたは組み込み済みと回答した割合は49%で、SDV戦略全体についても42%が同様の回答をしています。

      課題となるのは実行力です。AI・ソフトウェア施策のうち、実証段階を超えて全社的な導入に至った企業は36%にとどまります。92%の企業が、新たなデジタル・ソフトウェア・AI機能において、実証段階から全社展開までに少なくとも1年を要すると回答しており、うち3分の1超は2年以上を要するとしています。

      車両とカスタマージャーニーのコネクテッド化・デジタル化が進むなか、成否を分けるのは、テクノロジーを大規模に展開し、事業運営モデルを適応させ、信頼を維持できるかどうかです。世界の経営者の半数が、デジタル機能・コネクテッド機能への信頼が、今後3年間の企業の競争力を左右すると考えています。

      エコシステムが今後の成長のカギを握る

      電動化、ソフトウェアプラットフォーム、AI、そして変化する顧客ニーズへの対応には幅広い能力が求められることから、すべてを自社だけで構築することはできないとの認識が企業の間で強まっています。グローバル全体では、外部提携やエコシステムによる価値創出の割合が、現在の30%から今後3年間で44%へ高まる見通しです。

      本レポートのアジア太平洋地域に関する分析では、同地域における3つの優先課題を挙げています。それは、テクノロジーによって実現する価値創出へのリソースシフト、複数のモビリティの将来像への同時対応、そしてソフトウェア・エネルギー・モビリティをつなぐエコシステムの構築です。企業には、どこを自ら主導し、どこでパートナーと組み、どの能力を自社に残すのかという選択が求められています。

      変わるアジア太平洋地域の競争構造

      2035年までにOEM上位10社のうち6社が中国企業になるという予測は、自動車業界の価値創出がテクノロジー主導に大きくシフトしていることを浮き彫りにしています。中国が自動車産業の価値創出の構造を従来型のハードウェア中心から転換する動きを加速させる中、バッテリー、電子制御ユニット(ECU)、ソフトウェアプラットフォーム、AIが業界利益に占める割合は、今後さらに高まるとみられています。一方で、アジア太平洋地域は多様性に富む市場でもあります。中国が電動モビリティへの移行を急速に進めるのに対し、インド、日本、東南アジアなどでは、今後も複数のパワートレイン技術が併存すると見込まれます。

      KPMGジャパン 自動車セクター アジア太平洋地域リーダーの井口 耕一は次のように述べています。

      「アジア太平洋地域の自動車市場に、一律に通用する戦略はありません。電動化やソフトウェア導入のスピード、パワートレインの構成、顧客ニーズは市場ごとに大きく異なり、その多様性は今後も続くとみられます。同時に、地政学や貿易をめぐる不確実性の高まりにより、どこで生産し、どこから調達し、どこに投資するかという判断は、ますます市場ごとの事情に左右されるようになっています。レジリエンスの強化にはコストが伴います。柔軟性や供給の安定性を高めるためにどこまでコストを負担するのか、限られた資本を市場・製品・地域にどう配分するのか、そしてその判断をどれだけ速く実行に移せるのか。こうしたトレードオフを適切にマネジメントできるかどうかが、この地域における競争優位性をますます左右することになるでしょう。」

      本稿は2026年10月21日にKPMGインターナショナルが発表したプレスリリースを翻訳・一部編集したものです。日本語表記と英語表記に差異がある場合は、英語の原文を優先します。

      レポートの全文については、「KPMGグローバル自動車業界調査2026」のサイト(英語)をご参照ください。

      今後、電動化、オンライン販売、購買意向、自動運転、シェアリング、未来型都市などをテーマとした日本の消費者調査の結果を発表します。あわせて、本調査のグローバルな視点と日本の消費者動向を組み合わせ、日本の自動車市場に焦点を当てた分析も紹介する予定です。

      調査概要

      「第26回 KPMGグローバル自動車業界調査」(英名:2026 KPMG Global Automotive Executive Survey)は、自動車業界の戦略的な変化を捉えるKPMGの年次調査で、今回が26回目となります。世界の自動車業界の経営者775名を対象とした定量調査に加え、KPMGの自動車業界シニアスペシャリストおよび社外の業界リーダー計9名への定性インタビューおよびデスクリサーチを組み合わせて実施しました。回答者の内訳は、欧州330名、アジア太平洋地域260名、米州185名です。

      また、本レポートでは、年間売上高が10億米ドルを超え、変革施策の全体像を包括的または十分に把握し、かつ主体的に関与しているほか、収益性、オペレーション、変革の各面で優れた成果を上げていると自己評価した53社を「Pacesetter(先行企業)」と位置付けています。

      ※数値は四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。「2035年までに世界のOEM上位10社のうち6社が中国企業になる」という見通しは、調査回答者の予想であり、KPMGによる予測ではありません。

      KPMGについて

      KPMGは、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供する、独立したプロフェッショナルファームによるグローバルな組織体です。世界137の国と地域のメンバーファームに276,000人以上の人員を擁し、サービスを提供しています。KPMGの各ファームは、法律上独立した別の組織体です。
      KPMG International Limitedは英国の保証有限責任会社(private English company limited by guarantee)です。KPMG International Limitedおよびその関連事業体は、クライアントに対していかなるサービスも提供していません。
      日本におけるメンバーファームは、次のとおりです。
      有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGアドバイザリーホールディングス株式会社、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社 KPMG FAS、株式会社 KPMG Forensic & Risk Advisory、KPMGあずさサステナビリティ株式会社、KPMGヘルスケアジャパン株式会社、KPMG社会保険労務士法人、KPMG行政書士法人、株式会社 KPMG Ignition Tokyo