KPMGのメンバーファームであるKPMGコンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役:佐渡 誠、関 穣、田口 篤)と有限責任 あずさ監査法人(東京都新宿区、理事長:山田 裕行)は、企業における暗黙知の継承の難しさや、属人化による業務品質低下といった課題の解決に向け、「暗黙知の形式知化エージェント」を提供しています。このたび、同アプローチをデータマネジメント領域に応用し、「データ活用に必要な知識(データに関するメタ情報)」を整理・補完するとともに、データ探索・質問応答・集計・分析に活用する「データナレッジ形式知化・利活用エージェント」の提供を開始します。
生成AIやAIエージェントの活用が進む一方で、多くの企業ではデータの所在や意味・定義が十分に整理されていないことや、メタ情報の整備に膨大な労力と時間を要することにより、AIエージェントサービスの品質・信頼性を十分に担保できないという課題が顕在化しています。
例えば、売上や顧客、契約、在庫、リスクといった重要データについて、どのシステムに保存されているか、各項目の値が業務上どのような意味をもつのか、さらにはどの条件で集計や分析に使用可能なのかといった知識が十分に整理されておらず、特定の担当者や有識者の知見に依存しているケースが少なくありません。
その結果、企業はAI活用施策の具体化に際し、必要なデータの特定や正確なデータの内容の把握に多くの時間を要しています。また、AIが業務文脈を正しく理解できず、誤った解釈や不適切な分析を行う可能性があり、AI活用が進まないだけでなく、誤った形で活用されるリスクも生じています。
KPMGジャパンではこうした課題を踏まえ、従来の暗黙知の形式知化で培った知識の抽出・整理のアプローチを、データ活用領域に適用した「データナレッジ形式知化・利活用エージェント」の提供を開始しました。
本サービスは、既存データや業務資料をもとにデータの利用文脈を整理し、有識者との対話を通じて不足する情報を補完します。整理・補完した知識をデータ探索、質問応答、集計、分析に活用することで、データ活用の属人化を抑制し、組織全体における意思決定の質とスピードの向上を支援します。【図1】
図1.本ソリューションの利用イメージ
ソリューションの主な特徴
本ソリューションは、AIが社内データを正しく探索・解釈するための情報(特にビジネスメタ情報)を効率的に収集し、AIが利用可能な形(構造化メタデータ)として形式化することで、社員が必要なデータを迷わず活用できるとともに、AIが業務文脈を踏まえて分析・回答を行える環境を、さまざまなデータ/AI基盤に適用する形で提供します。
【図2】(以下の①~③は図2における①~③に対応)
① AIが現行情報を解析し幅広くメタ情報を生成
データベースの定義(論理/物理スキーマ)、業務資料、過去の分析結果、問い合わせ履歴などをもとに、データがどの業務で使用されているか(利用シーン)、どのような条件や注意点を踏まえて利用すべきか(利用制約)といった「データ利用文脈」を、KPMGフレームワークに基づきAIが幅広く抽出・整理します。
② AIが有識者との対話によるメタ情報の補完
データ利活用には、システム定義や資料だけでは表現できない実務上の判断基準や例外条件(暗黙知)が含まれます。本サービスでは、AIエージェントが不足情報や定義の曖昧さ、判断基準の不明確さを特定し、有識者との対話を通じて、
・データの意味(ビジネス定義)
・利用条件や適用範囲
・判断時の基準や条件
を補完します。
これにより、個人の経験や口頭確認に依存していた知識を、再利用可能なナレッジとして共有します。
③AIによるデータ利活用補助時にユーザー操作から示唆を取得し継続的更新
データ分析AIは、回答・集計・分析・示唆抽出を行う際に、整理されたデータ利用文脈を参照します。さらに、利用者とのやり取りを通じて新たに明らかになった判断基準や注意点も継続的に反映することで、AI活用の精度向上とデータ活用の属人化抑制を実現します。
図2.本ソリューションの特徴
適用事例
- 経営管理・営業管理におけるKPIや売上指標の定義整理により、部門横断での業績把握・施策判断の迅速化を実現
- 金融・保険・リスク管理における契約・請求・審査データの判断基準の形式知化により、確認負荷や判断のばらつきを抑制
- 製造・サプライチェーンにおける品質・在庫・設備データの利用文脈の整理により、現場改善や需給判断を高度化
- 自然言語でのデータ探索・集計・分析支援により、専門人材に依存しないデータ活用を促進
KPMGジャパンについて
KPMGジャパンは、KPMGインターナショナルの日本におけるメンバーファームの総称であり、監査、税務、アドバイザリーの3つの分野にわたる10のプロフェッショナルファームによって構成されています。クライアントが抱える経営課題に対して、各分野のプロフェッショナルが専門的知識やスキルを活かして連携し、またKPMGのグローバルネットワークも活用しながら、価値あるサービスを提供しています。
日本におけるメンバーファームは以下のとおりです。
有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGアドバイザリーホールディングス株式会社、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社 KPMG FAS、株式会社 KPMG Forensic & Risk Advisory、KPMGあずさサステナビリティ株式会社、KPMGヘルスケアジャパン株式会社、KPMG社会保険労務士法人、株式会社 KPMG Ignition Tokyo
KPMGコンサルティングについて
KPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジートランスフォーメーション、リスク&コンプライアンスの3分野から企業を支援するコンサルティングファームです。戦略策定、組織・人事マネジメント、デジタルトランスフォーメーション、ガバナンス、リスクマネジメントなどの専門知識と豊富な経験を持つコンサルタントが在籍し、金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクターなどのインダストリーに対し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。
あずさ監査法人について
有限責任 あずさ監査法人は、全国主要都市に約7,000 名の人員を擁し、監査証明業務をはじめ、財務会計アドバイザリー、内部統制アドバイザリー、ESG アドバイザリー、規制対応アドバイザリー、IT 関連アドバイザリー、デジタル・データ関連アドバイザリー、スタートアップ関連アドバイザリーなどの非監査証明業務を提供しています。金融、テレコム・メディア、テクノロジー、パブリック、消費財・小売、ライフサイエンス、自動車等、産業・業種(セクター)ごとに組織された監査事業部による業界特有のニーズに対応した専門性の高いサービスを提供する体制を有するとともに、KPMG インターナショナルのメンバーファームとして、138の国と地域に拡がるネットワークを通じ、グローバルな視点からクライアントを支援しています。