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      ※本記事では、2026年8月に開催したライブセミナー「AIで進化する戦略策定・実行管理― 不確実性を競争力へ ―」の要点をご紹介いたします。
      さらに詳しい内容は、KPMGジャパン Insight Plusにてご視聴いただけます。:AIで進化する戦略策定・実行管理

      2026年8月に開催したライブセミナーでは、KPMGジャパンで「AIを活用したERM高度化支援」サービスを担当するコンサルタント3名が、不確実性を競争力に変える経営のあり方と、AIを活用した戦略策定・実行管理について、具体的なケースとともに解説しました。Q&Aセッションでは、視聴者から寄せられた質問に答える形で、AIを活用した戦略策定・実行管理を行う上での実務的な課題と対応についても紹介しました。


       執筆者

      3人のパネリストの顔写真と肩書の紹介

      戦略の前提が揺らぐ時代の経営課題

      講師:有限責任 あずさ監査法人 アドバイザリー統轄事業部
         マネージング・ディレクター 林 拓矢 

      企業経営を取り巻く環境は、この5年で大きく変化しました。
      戦略の前提そのものが揺らぐ時代において、変化にいかに迅速に対応できるかが企業の競争力を左右します。未来を完全には予測できないという前提に立ちながらも、変化に先手を打つ経営を諦めない姿勢が求められます。鍵となるのは、リスクの先読みと意思決定のスピードであり、それを実現するためには、複数の未来を前提とした戦略策定・実行管理を行う必要があります。

      複数の未来を前提とした戦略策定・実行管理を実現する上で、AIの活用は現実的な選択肢となりつつあります。経営者自身の戦略意思決定の質・スピードをあげるために、AIを適切に活用することが求められています。

      不確実性を競争力に変える経営

      講師:KPMGコンサルティング株式会社 シニアマネジャー 西野 紗世 

      外部・内部環境は継続的に変化している一方で、戦略の前提を見直す機会は中期経営計画などの策定時に限られがちです。また、戦略の実行段階では売上や利益、KPIといった「結果」のモニタリングが中心となり、市場、顧客、規制、原材料、人材・組織能力など、その結果を左右する前提変化を十分に捉えられていないケースもあります。
      不確実な環境下で重要なのは、未来を正確に当てることではありません。戦略がどのような前提の上に成り立っているのかを明確にし、その前提が変化した場合の影響や対応をあらかじめ設計しておくことです。
      ポイントは、①何が変わると戦略が揺らぐのかを特定する、②前提変化を踏まえた複数のシナリオを描く、③変化を検知した際の判断基準や対応オプションを準備する、の3点です(図表1)。

      図表1:戦略設計のポイント

      一方、このような戦略設計を継続的に行うには、情報収集、影響分析、シナリオ更新などの場面で、幅広い知見と多大な労力が必要となります。そこで活用余地があるのがAIです。前提変化に「早く気付く」、その影響の「広がりを読む」、対応策を「先手で備える」といった一連のプロセスを高速化することで、意思決定の質とスピードを高めることが期待できます。
      AIを戦略設計に活用するといっても、AIに経営判断を委ねるということではありません。AIは情報の探索・比較・構造化や仮説の展開を支援しますが、どの情報を信頼し、自社にとって何を重要とみなし、どのリスクを取るかという最終判断は人間が担います。
      不確実性を競争力に変えるとは、変化を予言することではなく、変化した際に他社より一歩早く動ける経営をつくることです。


      “AI×シナリオ分析”による戦略策定・実行管理のケース紹介

      講師:株式会社 KPMG Forensic & Risk Advisory ディレクター 溝田 亘 

      「AI×シナリオ分析」は、AIに未来を予測させる手法ではありません。戦略がどのような前提の上に成り立っているのかを可視化し、その前提が変化した際に、戦略をタイムリーに修正するための経営管理手法です(図表2)。

      図表2:“AI×シナリオ分析”に関するケースの全体像

      環境変化の激しい半導体関連企業をケースとして解説します。半導体業界においては、需要動向、技術進化、競争ルール、地政学リスクなど、戦略に影響する要素が多岐にわたります。これらを幅広く探索し、自社への影響度と不確実性を評価した上で、不確実性の高いものを中心にシナリオの軸の候補とします(図表3)。この過程においてAIは、変化要素の抽出や初期評価、複数シナリオの生成を支援します。一方で、どの論点を重要とみなすか、どのシナリオを戦略の前提とするかは人間が判断します。

      図表3:変化要素のマップ

      また、“AI×シナリオ分析”で将来像を描くだけではなく、シナリオの蓋然性を継続的にモニタリングすることも有効です。シナリオ変化の兆候と戦略オプション発動の判断基準をあらかじめ決めておくことで、問題が顕在化してからではなく、兆候の段階で対応を検討できるようになります(図表4)。

      図表4:リスク先行指標のモニタリングと意思決定

      AIをシナリオ分析に活用する価値は、単なる分析作業の効率化にあるのではありません。人間だけでは捉えきれない変化を幅広く洗い出し、複数の未来を高速に比較・更新しながら、より早く、より質の高い意思決定を行える状態をつくることにあります。



      林 拓矢

      アドバイザリー統轄事業部 マネージング・ディレクター

      あずさ監査法人

      溝田 亘

      KPMG Forensic & Risk Advisory ディレクター

      KPMG Forensic & Risk Advisory

      ▶ 詳細は、オンデマンド配信で

      各パートのより具体的な内容や、Q&Aで交わされた登壇者の回答は、動画本編でご覧いただけます。本セミナーが貴社における戦略策定・実行管理の進化の一助となれば幸いです。

      動画本編は、KPMGジャパン Insight Plusにてオンデマンド配信中です
      (視聴時間:約60分)。

      ▶ 視聴はこちら:AIで進化する戦略策定・実行管理 から、
       ご案内しております。

      ▶ 視聴後のアンケートでは、「AI×シナリオ分析」サンプルレポート
           のご希望も受け付けています。


      関連リンク

      ライブ配信:2026年8月6日(木)15:00~16:00/オンデマンド配信:2026年8月26日(水)~2027年8月31日(火)

      KPMGのERM高度化アプローチは、生成AIを活用した動的なリスクシナリオ分析や対応オプションの体系的な提示を通じて、不確実な環境下における経営判断プロセスの高度化を支援します。